
・クラウドソーシングやスキルシェアサービスは初心者でも副業できる?
この記事はこういった人のために書きました。
この記事を書いた人
IT業界での長年のキャリアと、過去の転職経験、現役の採用面接官として信頼性の高い情報を発信しています。
この記事でお伝えしたいこと
- ITエンジニアは副業に向いている
- ITエンジニアが副業を行うメリット
- ITエンジニアが副業を行うデメリット
- ITエンジニアができる副業
- ITエンジニアの副業の始め方
- おすすめの副業サイト6選
- 副業を行う際の注意事項
この記事では、副業を始めたい・興味があるITエンジニアの方向けに、手軽に登録できるおすすめの副業サイトについて解説します。

現在、ITエンジニアの経験を活かした副業を考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
ITエンジニアは副業に向いている
政府が「働き方改革」の一環として副業を推進し始めたことをきっかけに、副業に興味・関心を示すサラリーマンが増えています。
また、副業を解禁する企業も現れ始めており、近い将来、副業は「当たり前」の世の中になっていくでしょう。
そして、実は、ITエンジニアはとても副業に向いている職業です。
理由は下記の通りです。
- 本業で培った技術力をそのまま副業に活かせる
- IT業界は慢性的な人材不足で副業エンジニアの需要が多い
- フルタイムから週に1~2日程度の副業案件があり働き方やライフスタイルに応じた副業ができる
- 場所を選ばないリモートワーク可能な案件が多い
IT業界は慢性的な人材不足に陥っており、それを背景として週に1~2日程度のスポット参画でも構わないという案件がありますし、場所を選ばず出勤時間を短縮できるリモートワークが可能な案件も多く、本業のサラリーマンとしての業務を行いつつ、隙間時間を作って副業がやりやすいのです。
ITエンジニアが副業を行うメリット
ITエンジニアが副業を行うメリットを簡単にお話します。
- 本業以外の収入を得ることができる
- 市場での技術トレンドを知ることができる
- エンジニア・プログラマとしての市場価値を測ることができる
- 副業を通じてエンジニアとしてスキルアップできる
- 社外に人脈ができ転職や副業を拡大するチャンスが増える
- ゆくゆくフリーランスを目指すことができる
このようにメリットは多いです。
エンジニアは常に業界や技術のトレンドを追っていく必要がありますが、副業を通じて社外で求められている技術ニーズを知ることができますし、また現在の実力でどのくらいの報酬を得られるかを知ることで、自分の市場価値を測ることができるのは大きなメリットです。
また、「本業以外の収入を得ることができる」のも大きなメリットです。
転職・求人dodaの調査によると、ITエンジニアの平均年収は457万円となっています。
サラリーマンとして、昇格、転職による昇給は望めるものの、どうしても本業だけでは収入には限界があります。
独立や起業という手段もありますが、収入の安定性が失われるデメリットがあります。
ですので、サラリーマンとしての本業で安定性を保ちつつ、副業で収入を増やせる「本業+副業」のハイブリッドな働き方を最もおすすめしています。
ITエンジニアが副業を行うデメリット
メリットだけでなく、デメリットも見ておきましょう。
- 最初のうちは思ったほど稼げない
- 副業の選び方によっては必ずしもスキルアップにはつながらない
- 過重労働になる可能性がある
社内では優秀で評価されているエンジニアでも、会社の外では誰もあなたの実力を知りませんので、最初から高い報酬を得られることは難しく、コツコツと実績を積み上げていく必要があります。
また、時給制の場合はどうしても働いた時間に見合った報酬にしかなりません。
スキルアップについても、未知の技術へのチャレンジができるような案件があればよいですが、そういったチャレンジングな案件は副業でも実績が必要です。
最初のうちは「出来ることをやる」ことが多いので、新しいスキルを身に着けることは難しいでしょう。
過重労働にはもちろん注意です。副業で過労で倒れるのは本末転倒です。もちろん労災は下りませんので注意しましょう。
ITエンジニアができる副業
ITエンジニアは自分の技術力をそのまま副業に活かすことができます。
副業の内容は実に多岐に渡り、多くの案件がありますが、おおむね下記の6点に集約されるかと思います。
- システム開発・保守の業務委託
- Webサイト作成・Webデザイン
- Webアプリ・スマホアプリ開発
- プログラミングスクール講師・メンター
- 技術系記事のライティング
- 企業の技術顧問・コンサルティング
フロントエンド、バックエンド、インフラなど専門分野があると思いますが、どの分野においても一定数の副業ニーズはあります。
エンジニアの副業の始め方
副業の始め方は下記のように様々な方法があります。
- 知り合いや本業のコネクションからの紹介
- フリーランス向けエージェントの活用
- クラウドソーシングサービスの活用
- スキルシェアサービスの活用
副業を始めるための最もメジャーな方法は、友人や知り合い、本業でのコネクションなどの「人脈」によるものだと思います。
しかし、最初から思うような仕事を回してくれるような人は少ないでしょうし、そういった人脈を形成するには運の要素も大きいため、うまく人脈を築き、副業から収入に結び付けるための攻略法はありません。
フリーランス向けエージェントは、週2~3日稼働の案件も多く副業としては十分成り立つ方法になりますが、エージェントとの面談や調整を行う必要があり、はじめて副業を始める方がお手軽に利用するには少しハードルが高いため、本記事では扱いません。
初心者でも比較的気軽に副業を始められる方法は、下記2点です。
- クラウドソーシングサービスの活用
- スキルシェアサービスの活用
ただし、手軽といっても、最初からあまり稼げると思わない方がよいです。
クラウドソーシングも、スキルシェアも同じですが、実績重視です。
実績があり、評価の高い人に発注が集中します。
ですので、最初のうちは案件が取れず、なかなか稼げないと思いますが、コツコツと小さな実績を積み重ねることで徐々に良い案件を獲得することができるようになります。
クラウドソーシングサービスの活用
クラウドソーシング(crowd sourcing)とは、業務のアウトソーシングの一種で、Webサイト上で発注者が不特定多数の「群衆」に向けて案件を公開し、業務を発注する業務形態のことを指す造語です。
※クラウドはCloud(雲)ではなくCrowd(群衆)
クラウドワークスやランサーズなどが有名で、これらのWebサイトに登録し、自分のスキルや経験に見合った案件を探し、応募する流れになります。
メリット
- 多くの案件の中から自分の経験・スキルに合った案件を選べる
- 記事のライティングや小規模なアプリ開発などライトな案件が多く本業のスキマ時間で稼げる
- 基本的にフルリモートで働ける
デメリット
- 「作業」を換金する案件が多く単価が低い案件はあまり稼げない
- 発注者側のリテラシーが低く業務の要件や指示が曖昧になりやすい
- 発注者と受注者が一対一になるのでトラブルが起きたときの仲介約がいない
このように、基本的にはライトな案件が多く、サラリーマンをやりながらお手軽にスキマ時間を活用して稼ぎたい方にはおすすめできますが、低単価な案件が多く、また気を付けないとトラブルにもなりやすいため、本格的に副業で稼ぎたい方にはあまり向いていないと言えます。
スキルシェアサービスの活用
スキルシェアサービスは、自分の持っているスキル・知識を「商品」として共有(売買)することを目的としたサービスで、ココナラ、Workship、ビザスクなどが有名です。
クラウドソーシングとは逆に、自分のスキル・知識・経験を商品として出品し、それを必要としている人に選んで購入してもらうという流れになります。
メリット
- 「スキル」を換金するためスキルレベルや経験によっては高単価で稼げる
- スキル・知識を共有することによりブラッシュアップされスキルアップにつながる
デメリット
- 購入者を待つ仕組みのサービスは安定収入を確保することが難しい
- スキルを商品とするため業界経験の浅い人は利用が難しい
おすすめの副業サイト6選
副業初心者でも手軽に始められる、クラウドソーシングサービス、スキルシェアサービスを提供しているおすすめのサイトを6つご紹介します。
- クラウドワークス
- ランサーズ
- Anoter Works
- ココナラ
- Workship
- ビザスク
クラウドワークス
公式:CrowdWorks
クラウドワークスは、日本最大級のクラウドソーシングサイトで、会員数200万人、仕事の依頼総額400億円超、登録社数110,000名突破という、現在最も成長しているクラウドソーシングサービスといえます。
手軽に登録できますが、案件獲得には実績と評価が重視されるので、最初から稼ぐのは難しいです。
まずは「タスク型」というアンケートや体験談の募集といった簡単な仕事から初めて実績を積み、それから業務委託へシフトするといった流れで少しずつ単価の高い案件を獲得することができるようになります。
なお、登録は完全無料ですが、案件を受注して報酬を受け取ると、報酬に応じた手数料がかかります。
報酬額 | システム手数料 |
---|---|
20万円超の部分 | 5% |
10万円超20万円以下の部分 | 10% |
10万円以下の部分 | 20% |
タスク形式での場合 | 20% |
主な案件(IT関連)
- システム開発(設計・プログラミング)
- アプリ・スマートフォン開発
- ハードウェア設計・開発
- ホームページ制作・Webデザイン
- ライティング・記事作成
強みとメリット
- 基本は業務委託+フルリモートなのでサラリーマンでも本業と両立しやすい
- アンケートや記事のライティングなど初心者でも取り組みやすい案件が多い
- 実績と評価が上がってくれば月10~50万といった高単価の案件も獲得できるようになる

弱みとデメリット
- 案件受注時は報酬に応じた手数料がかかる
- 会員数が多いためライバルが多く案件を獲得しにくい
- 実績と評価重視のため最初のうちは低単価の案件しか取れず稼ぎにくい
- プログラミングやWebサイト作成などの業務に偏っており上流メインのエンジニアにとっては案件が少ない
- 発注側も気軽に募集する傾向があり雑に扱われる可能性がある

ランサーズ
ランサーズは、クラウドワークスと並ぶ、大手クラウドソーシングサービスです。
基本的な仕組みはクラウドワークスとほとんど変わりませんが、下記の点でクラウドワークスと違いがあります。
- 案件数はクラウドワークスの方が多い(クラウドワークス:54万件、ランサーズ:12万件)
- サポートはランサーズの方が評判が良い(ランサーズは受注者に不利な条件の案件を通報する機能がある等)
※2020/11時点の情報
主な案件(IT関連)
- Web・システム開発
- スマホアプリ・モバイル開発
- アプリケーション開発
- 運用・管理・保守
- 業務システム・ツール開発
- 講師・ITコンサルタント
- Web制作・Webデザイン
- ライティング
なお、両者ともかなり似通ったサービスのため、ランサーズのメリット・デメリットについてはクラウドワークスとほとんど変わりません。
Another Works
公式:https://aw-anotherworks.com/
Anoter Worksは、2019年8月にリリースされたばかりの新しいスキルシェアサービスです。
本業があって副収入を得るのが「副業」ですが、Anoter Worksでは「複業」と呼び、パラレルワーカーのために手数料無料で仕事をマッチングしている点が大きな特徴です。
まだ新しいサービスのため、案件数も少なめですが、登録者も少ないためライバルが少ないともいえるでしょう。
クラウドソーシングサービスで多いような、ライティングやWeb制作などリモートでの業務委託案件もありますが、ITエンジニア向けの案件は、エンジニアやPMとしてリモートもしくはオンサイトで開発プロジェクトに参画する案件が多く、サラリーマンのスキマ時間での副業というよりは、週に1日~5日入れるフリーランスを募集する案件が多いようです。
主な案件(IT関連)
- 業務システム開発(エンジニア・PM)
- Webシステム開発(エンジニア・PM)
- 社内SE業務・CTO候補
- IT講師・研修サポート
- IT記事のライティング
強みとメリット
- 実開発案件が多く高単価な案件が多い
- 手数料が無料
- 企業側からスカウトを受けることもできる

弱みとデメリット
- 新しいサービスのため案件数が少ない
- 週1日~5日で実開発に入る案件が多く、本業のスキマ時間で副業を考えている人には不向き
- 実開発案件が多く実績のあるエンジニア向けのため経験の浅い人には不向き
- 実名登録が必要のため会社に内緒で副業するには不向き(企業ブロック機能有り)

ココナラ
ココナラは「自分の得意なことやスキルが出品できるオンラインマーケット」としてテレビCMでも有名です。
完全無料で気軽に登録、出品できることから、会員数100万人突破、取引件数300万件以上を誇る、国内最大級のスキルシェアサービスです。
少額でスキマ時間に副業したい方から、最大100万円までの大規模なサービス・プロジェクトを提供したい方まで幅広く利用できます。
デザイン関連が多いイメージがあるかと思いますが、IT系だと、アプリケーション開発やWeb制作、テスト・デバッグ、システム開発の相談など、かなり案件の幅が広いことからも副業したいITエンジニアに人気のあるサービスです。
主な案件(IT関連)
- プログラミング
- EXCELマクロ作成・VBA開発
- Webシステム開発
- iPhone・iPadアプリ開発
- Androidアプリ開発
- Windowsアプリケーション開発
- Macアプリケーション開発
- ITサポート
- サーバー・インフラ構築
- セキュリティ対策
- テスト・検証・デバッグ・品質評価
- IT・プログラミング・開発の相談
- その他(IT・プログラミング)
強みとメリット
- 500円から100万円までどんなスキルでも商品として出品でき、スキマ時間のお小遣い稼ぎからガッツリ稼ぎたい方まで幅広く利用できる
- 成果物を伴わない「相談」や「知識の共有」も出品できる
- Webでのやり取りから、チャットや電話サービスまでコミュニケーションツールが幅広く用意されている
- 事前に購入代金を決済し、サービス提供が完了するまでココナラ側で預かる仕組みのため安心して取引できる

弱みとデメリット
- 案件受注時は報酬に応じた手数料がかかる
- 会員数が多いためライバルが多く案件を獲得しにくい
- 実績と評価重視のため最初のうちは価格を抑える必要があり稼ぎにくい
- 購入者が企業ではなく個人になるためコミュニケーションが煩雑になりやすい

Workship
公式:Workship
Workshipは、2018年にリリースされた比較的新しいサービスで、デジタル業界で活躍するプロフェッショナルとプロジェクトをマッチングするスキルシェアサービスです。
デジタル業界で働くエンジニア、デザイナー、マーケター、ライターなどの職種をターゲットとして、それら職種が活躍できる業務案件、プロジェクトとのマッチングを行ってくれます。
働き方も、土日のみ、週一、複業、パラレルワークなど、多様な働き方に合わせたプロジェクトが選択可能となっています。
このサービスも、どちらかというとフリーランスの方向けではありますが、週一・土日のみの案件もありますので、サラリーマンでも柔軟に案件に参加できます。
ただしエンジニアの経験が浅いかたには向いておらず、それぞれの職種の経験者で、自分のスキルに自信があり、普段の仕事以外でもスキルを活かしたい方におすすめできるサービスです。
主な案件(IT関連)
- Webアプリ/Webシステム開発
- iOS/Androidアプリ開発
- サーバー/ネットワーク開発
- AI/機械学習開発
- プロジェクトマネジメント

強みとメリット
- デジタル業界に特化しているためITエンジニア・WebデザイナーといったIT職種に特化した案件が豊富
- ベンチャーから大手企業まで幅広い企業が利用しており自分の理想とする職場環境で稼働できる
- 土日のみ、週一、複業、パラレルワークなど、多様な働き方に合わせたプロジェクトが選択可能
- プロジェクト発注者とチャットで仕事内容、状況、契約期間などをリアルタイムで交渉可能
- 時給10,000円以上の高単価案件も存在する

弱みとデメリット
- 経験者であることが条件のため、ITの実務経験が浅い人には厳しい
- 比較的新しいサービスのため案件数が少ない

ビザスク
ビザスク は、最近メディアにも注目されている日本最大級の「スポットコンサル」サービスです。
自分のビジネス経験を活かし、30分~1時間のインタビューで、スポットで新規事業や業務改善のヒントを求める企業や個人のご相談に応じる形の、スキルシェアサービスの一種です。
スキマ時間を使って相談に応じ、報酬を受けとる事ができる「新しい働き方」といえます。
月間案件数は2,000件以上、平均報酬は1時間あたり1.5万円という高報酬が特徴で、下記のような方に大変おすすめできるサービスです。
- 業界経験の長いベテランエンジニア(30代~40代)
- 業界知識に詳しいITコンサルタント経験者
- SI業界の企業における管理職・マネージャー経験者
登録後は、公開されている案件への応募や、企業・個人側からの直接依頼で案件受注となり、その後はWeb上で日時を決め、実際に待ち合わせ場所に出向いて対面、またはZoomやTeamsなどを使ったリモートで30分~1時間のインタビューを実施する流れとなります。
※経験上、対面はほとんどなく、リモートでの実施がメインとなっており、場所を選ばず副業することができます。
なお、手数料は30%となっており、例えば10,000円の報酬であれば手元に7,000円が入ります。なお、銀行への振込手数料はかかりません。(ビザスク負担です)
主な案件(IT関連)
- IT業界・IT技術の市場動向のヒアリング
- IT技術の適用や提案に関する相談
- ITエンジニア向け自社開発サービスのモニターやコメント出し
- ITエンジニアの採用ニーズに関するインタビュー

強みとメリット
- 自分が持つスキル・経験をそのまま活用できる
- 短い時間で高い報酬を得ることができる(平均1.5万円/1時間)
- 案件実施にあたり特に準備するものがない(経験・スキルを話して共有するのみ)

弱みとデメリット
- ITに関する案件が少ないため安定収入を得ることは難しい
- 実名登録が必要で発注者にプロフィールが共有される(もちろん守秘義務あり)
- 手数料が高め(30%)

副業を行う際の注意事項【重要!】
最後に、サラリーマンが副業を行う際に守るべき注意事項についてお話します。
注意ポイント
- 所属している会社の「副業規定」を守る
- 年間収入が20万円を超える場合は確定申告が必要となる
基本的に、副業は、副業OKの会社に所属している方にのみおすすめできます。
もし、副業NGだけど、どうしても副業をしたい方は、絶対に会社にバレないように気を付けてください。
規定によっては懲戒になる可能性すらありますので。
やり方は、長くなるのでこの記事では説明しませんが、検索すると良い記事がたくさん出てきますので参考にしてみてください。
また、副業の年間収入が20万円を超える場合は確定申告が必要となるので、こちらも要注意です。
まとめ
副業を始めたい、副業に興味があるITエンジニアの方向けに、手軽に始められる副業の方法についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか。
最後にまとめです。
まとめ
この記事を読んで、副業を始めたいと考えているITエンジニアの方の参考になったらうれしいです。