エンジニアの転職

インフラエンジニアが転職で大手を目指すには?大手の仕事内容と転職の方法を解説

2021-03-29

Big Data Business Data Information  - TheDigitalArtist / Pixabay
悩める人
悩める人
元請けSIerなどの大手企業に転職したいんだけど、インフラエンジニアでも大手企業に転職できる?転職する際のポイントを知りたい。

この記事はこういった人のために書きました。

 

この記事を書いた人

 

ヤマダといいます。

 

<プロフィール>
新卒でSES企業に入り、2度の転職を経て現在は某SIerで管理職として働いています。
キャリアは20年で、C言語のプログラマーから、インフラ、ITアーキテクト、PMを務め、現在は業界調査や人材育成、採用面接も担当しています。
これまで、何百人ものITエンジニアと仕事を共に、数多くの転職希望者と採用面接を通じて接してきました。

 

IT業界での長年のキャリアと、過去の転職経験、現役の採用面接官として信頼性の高い情報を発信しています。

 

この記事でお伝えしたいこと

 

  • インフラエンジニアとは
  • 大手のインフラエンジニアの組織体制
  • 大手のインフラエンジニアの仕事内容
  • 大手のインフラエンジニアに求められるスキル
  • 現職でどのようにスキルを磨くべきか
  • 大手への転職方法と活用のポイント

 

企業や金融機関、自治体などの大規模なシステムの受託開発を行う、いわゆる「元請けSIer」にもインフラエンジニアという職種は存在します。

元請けSIerは、富士通や日立製作所、NTTデータなど「大手企業」が多く、給与や福利厚生が充実しており、比較的ホワイト企業が多いことで知られています。

 

この記事では、そのような大手企業のインフラエンジニアの仕事内容と、大手企業でインフラエンジニアとして転職するための方法とポイントについてお話します。

 

結論から言うと、大手SIerなどへインフラエンジニアとしての転職は、大手企業での仕事内容を理解し、求められるスキルや経験を身に着けているか、身に着けられる資質があると判断されれば問題なく可能です。
ヤマダ
ヤマダ

 

大手企業のインフラエンジニアとして転職を目指している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

インフラエンジニアとは

 

インフラエンジニアの定義

 

インフラエンジニアは、ざっくり言うと「ITインフラの設計・構築・運用保守を行うエンジニア」です。

一言でインフラと言っても、担当範囲がとても広く、サーバー、ネットワーク、データベース、クラウド、運用保守などいくつかの専門分野に分類できます。

また、それぞれの専門分野に特化したエンジニアの職種があります。

 

  • サーバーエンジニア
  • ネットワークエンジニア
  • データベースエンジニア
  • クラウドエンジニア
  • 運用保守エンジニア

 

つまり、インフラエンジニアとは、それぞれの専門分野に特化したエンジニアの「総称」ということになります。

 

インフラエンジニアの仕事内容

 

インフラエンジニアは、「ITインフラの設計・構築・運用保守」を行うエンジニアです。

具体的には、下記のような仕事を行っています。

 

  • 要件定義
  • 基本設計
  • 詳細設計
  • 機器設置・環境構築
  • テスト
  • 運用保守

 

要件定義から基本設計をいわゆる「上流工程」と呼び、お客様とコミュニケーションを取りながら、システムに必要とされるインフラの要件や仕様を詰めていきます。

詳細設計(パラメーター設計)からテストまでを「下流工程」と呼び、上流工程で定めた要件・仕様に従って、サーバーやネットワーク、ミドルウェアやデータベースなどの細かな詳細設計(パラメーター設計)を行います。

 

そして、サーバーやネットワーク機器といったハードウェアを設置し、設定を入れていく環境構築を行い、設計通りに動作するかを確認するテストを行っていきます。

開発が終わったら、サーバーやネットワーク機器のメンテナンスやトラブルシューティングなど、インフラの運用保守を行います。

 

インフラエンジニアについては、こちらの記事でも詳しく書いていますので、よかったら読んてみてください。

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大手のインフラエンジニアの組織体制

Paper Business Finance Document  - mohamed_hassan / Pixabay

 

大手の元請けSIerでは、インフラエンジニアはどのような組織体制で仕事をしているのでしょうか。

 

ここは企業によって異なる部分ですが、概ね、インフラエンジニアは下記のような組織に分かれて配属されていると考えられます。

 

  • 事業部門
  • インフラ専門組織
  • 研究開発部門
  • 社内SE部門

 

事業部門のインフラエンジニア

 

金融や製造、公共など特定の業界、または特定の顧客企業ごとに事業部門が分かれている企業では、それぞれの事業部門にインフラエンジニアを配置する場合があります。

そうした事業部門のインフラエンジニアは、特定の業界、企業に特化した開発や運用保守を行います。

 

特定の業界や企業の事情、文化、仕事のやり方に詳しくなるため、お客様との強い関係性が生まれ、その業界・企業の開発のプロフェッショナルになることが可能です。

 

一方、ひとつのやり方に特化するあまり、開発ノウハウやマネジメントのやり方が画一的になりやすく、技術力が偏ったり、他の業界の仕事がしにくくなるデメリットもあります。

また、経験を積むと、純粋なインフラエンジニアとしてではなく、プロジェクトマネージャーの立場になることが多く、純粋に技術を追求しにくくなる可能性もあります。

 

インフラ専門組織のインフラエンジニア

 

社内のインフラエンジニアをひとつ、もしくはいくつかの組織に集約し、社内の事業部門へエンジニアを派遣する組織を持つ企業もあります。

 

そうした企業では、社内のインフラ技術の知見・ノウハウや、それぞれの業界・企業における開発方法論を組織内で共有するため、様々な業界・企業における開発のやり方を幅広く経験・吸収できるメリットがあります。

 

一方、特定の業界知識や企業とのコネクションは比較的生まれにくく、事業部門の営業活動にも参加しにくくなるため、ひとつの業界や企業にどっぷり浸かってウェットに営業や開発を経験したいという方には向かないかもしれません。

 

研究開発部門のインフラエンジニア

 

大手のSIerには、事業部門と対になる組織として、研究開発部門を持つ企業が多いです。

 

研究開発部門では、大まかには下記のような事を業務としています。

 

  • インフラ新技術・新製品・新しい開発方法論の検証作業(PoC)
  • 事業部門の開発案件への導入のための標準化やドキュメンテーション
  • インフラ技術の社内向けサポートサービス
  • 技術動向・業界動向の調査と社内外への発信
  • 社内外向けの技術セミナー・勉強会等の開催
  • 技術書・記事の執筆

 

このように、実に多くの研究や調査、情報発信等を行っていますが、基本的には、新しい技術をスムーズに開発案件へ導入して、競合企業に対して優位性を持たせるための活動を行っていると考えればOKです。

 

研究開発部門のインフラエンジニアは、サーバーやネットワーク、データベース、運用保守など、インフラの技術要素ごとに有識者を配属しており、技術力がつきにくいと言われる元請けSIerの中でも、しっかりと技術力が身に付きやすい働き方と言えます。

 

また、基本的に案件開発は行わないことが多いですが、社内の重要案件や、重大トラブルが発生した場合は、案件へ参画し技術支援を行うこともあります。

 

社内SE部門のインフラエンジニア

 

社内SEとは、企業の情報システム部(情シス)などに所属し、企業の社内システムの開発や運用保守を担当するSEのことです。

 

事業会社においては、企業の基幹システムや情報系システムなど、経営戦略をもとに事業活動に重要なシステムの企画や開発に携わることになりますが、SIerの場合は、基本的に社内の人事・総務系システムの企画、開発、運用保守が業務範囲となります。

 

SIerにおける社内SE部門のインフラエンジニアは、SIerの事業であるシステム受託開発や、研究開発業務を効率化するためのシステムや、人事や総務、労務管理などのバックオフィスの業務システムにおける、サーバー、ネットワーク機器、ストレージやクラウドの開発や運用保守を行います。

 

基本的には、開発は外注ベンダに依頼することが多く、マネジメントと社内調整が中心となり、研究開発部門と比べると技術力がつきにくい傾向にあると言えます。

 

社内SEについて下記の記事でも詳しく解説していますので、よかったら読んでみてください。

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大手のインフラエンジニアの仕事内容

Business Man Laptop Work Outdoor  - lukasbieri / Pixabay

 

元請けSIerなどの大手企業にもインフラエンジニアは存在しますが、どのような仕事を行っているのでしょうか。

大手企業のインフラエンジニアは、基本的にあまり構築作業や保守作業は行わず、「提案」「上流工程」「マネジメント」を担当することが多いです。

 

業務内容は多岐に渡りますが、概ね下記のような仕事内容となります。

 

  • 提案・見積もり
  • 要件定義(非機能要件定義)
  • 基本設計・アーキテクチャ設計
  • 機器設置工事
  • マネジメント
  • 研究開発

 

提案・見積もり

 

提案とは、お客様(ユーザー企業)に対してシステムを提案することで、パターンとしては下記2パターンがあります。

 

  • ユーザー企業から発出されるRFP(提案依頼書)に応える形で提案する
  • ユーザー企業との営業活動を通じて、お客様の課題をヒアリングし、システムによる解決策を提案する

 

RFP(Request For Proposal)は、主に政府・自治体や、比較的規模の大きな企業などが作成するもので、「このようなシステムを提案してください」という意味合いのドキュメントです。

 

RFPを受け取った企業(主にSIer)は、提案依頼書に書かれている条件に合ったシステムの提案書と見積書を提出します。

そして、最も条件に見合った企業が落札する競争入札の形式になることが多いです。(たまに1社決め打ちの随意契約となることもあります)

 

元請SIerのインフラエンジニアは、提案依頼書を受け取ったら速やかに提案チームを結成し、システムに必要なハードウェアやソフトウェアベンダと協働でシステム構成を検討し、提案書と見積書を作成します。

 

要件定義(非機能要件定義)

 

要件定義とは、システムの受託開発の契約後、もしくは提案依頼書を作成する段階で、どのようなシステムにするのかをお客様へヒアリングして「要件定義書」というドキュメントにまとめる工程です。

 

インフラ開発ではお客様へのヒアリングや提案を重ね、下記のような項目を取り決める「非機能要件定義」を行います。

 

  • 可用性(システム故障時でもサービスを利用できる度合いを定義)
  • 性能(システムに必要な処理性能を定義)
  • 拡張性(業務やサービスの拡大に合わせたシステムの拡張可能度合いを定義)
  • 安全性(セキュリティ要件を定義)
  • 運用保守性(システムの運用しやすさ、保守の体制や仕組みを定義)

 

このような項目をヒアリング、時にはSIerが持っているノウハウや実績を元に提案しながら、「非機能要件定義書」をまとめ上げていきます。

非機能要件定義は、SIerのインフラエンジニアとして、最も重要な業務であると言えます。

 

  • 可用性:インフラの冗長化を決定
    →サーバー、ネットワーク機器、ストレージなどの台数に影響
  • 性能:インフラのスペックを決定
    →サーバー、ネットワーク機器、ストレージなどのスペック・台数に影響
  • 安全性:セキュリティ要件を決定
    →セキュリティ確保の製品(WAFやウイルス対策ソフト等)の導入有無に影響
  • 運用保守性:運用保守要件を決定
    →運用保守に関する製品(ジョブスケジューラ、監視、ログ管理など)の導入有無や運用保守工数に影響

 

このように、非機能要件はシステム構成や見積り、つまり導入費用そのものに大きく影響を与えます

ここを適当にやってしまうと、設計やテストの工程で、要件を満たせないという結果になる恐れもあります。

 

基本設計・アーキテクチャ設計

 

基本設計とは、要件定義書に従って、システムのアウトライン(概要)を設計する工程です。

 

設計するサーバーやネットワーク、データベースなどがシステムの外部から見たときにどのように動作するのか、どのような構成になるのかを「基本設計書」にまとめる作業を行います。

分担によっては純粋なインフラ構成だけでなく、アプリケーションが動作するための処理方式(アーキテクチャ)に関する設計も行います。

 

また、設計するにあたって顧客にヒアリングする事項や、課題などを一覧化して顧客とコミュニケーションを取りながら進めていく必要があります。

 

基本設計までは元請SIerの社員が実施することが多いですが、大規模なプロジェクトになると基本設計から外部ベンダーに依頼することもよくあります。

 

機器設置工事

 

機器設置工事は、オンプレミスでシステムを開発する際に、データセンターにサーバーラックを建て、電源やケーブルを配線し、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などを設置する工事のことです。

 

実際の設置や電源工事などは、それぞれハードウェアベンダーや、工事業者が行うことがほとんどですが、元請けSIer社員は何をするのでしょうか?

 

機器設置工事では、元請SIerのインフラエンジニアが工事の計画を策定します。

計画の際、データセンター運営業者、もしくはユーザー企業がデータセンターを持っている場合はユーザー企業側の担当者と、計画のすり合わせを行い、いつ、どのような規模の工事を行うのか、どういったスペックの機器を設置するのかを細かく調整します。

 

SIerのエンジニアの業務でもやや異質な部類に入る工程です。

建設業法についてもある程度知識が必要ですし、工事業者やデータセンターを管理する人たちと会話したり、工事当日の立ち合いや危険予知ミーティングなどに参加する可能性もあり、最初はちょっと戸惑うことも多いかもしれません。

 

マネジメント

 

マネジメントは、元請SIerの仕事の中でも、最も重要な仕事です。

 

システム開発や運用保守を計画通りに進め、お客様と取り決めた仕様や品質の通りにシステムを納品するために最も重視されるべき大事な仕事内容です。

 

SIerが行うマネジメントには大きく下記の二種類があります。

 

  • プロジェクトマネジメント
  • ITサービスマネジメント

 

プロジェクトマネジメント(PM)

 

プロジェクトマネジメントとは、システム開発プロジェクトの開始から納品、もしくは運用保守までの計画を段取り、計画通りに工程が進むように進捗や課題、費用の管理、お客様や外注ベンダーとの調整、やりくりを行いながらプロジェクトを進行させる仕事です。

 

定期的に各チームの状況をヒアリングし、計画通りスケジュールが進んでいるか、進んでいない場合は原因は何で、どうすれば解決するのかを確認し、解決策の実行やスケジュール修正の判断などを行う「マネジメント」を日々実行していきます。

 

プロジェクトマネジメントとは、よく「プロジェクト管理」と誤訳されますが、単なる管理ではなく「やりくりをして成果を出すことに責任を持つ仕事」です。

 

さて、インフラエンジニアがプロジェクトマネジメントを行う機会があるかというと、あります。

プライベートクラウドの構築や、テレワーク基盤の構築など、インフラ開発だけのプロジェクトもありますし、大規模なシステムになると、プロジェクトマネージャーも階層分けして、インフラ分野のPMを立てる場合もあります。

 

元請SIerのインフラエンジニアは、技術力だけでなく、マネジメント能力も求められるということです。

 

ITサービスマネジメント(ITSM)

 

ITサービスマネジメント(ITSM)とは、システムが継続してサービスを提供し続けられるよう、継続的にシステムを改善していく仕組みやサイクルを構築し維持することを指します。

 

ITサービスマネージャーは、常日頃からサービスレベルに気を配り、ITサービスとマネジメントプロセスの継続的改善を行うリーダー職です。

 

SIerにおいては、運用保守チームリーダーの立場として働くことが多く、トラブルが起きたら陣頭指揮を執り目標時間以内にトラブルを解消し、システムの更新作業の全て管理する、運用保守のスペシャリストであり、ITサービスの番人です。

 

研究開発

 

繰り返しになりますが、研究開発部門のインフラエンジニアは主に下記のような業務に取り組みます。

 

  • インフラ新技術・新製品・新しい開発方法論の検証作業(PoC)
  • 事業部門の開発案件への導入のための標準化やドキュメンテーション
  • インフラ技術の社内向けサポートサービス
  • 技術動向・業界動向の調査と社内外への発信
  • 社内外向けの技術セミナー・勉強会等の開催
  • 技術書・記事の執筆

 

会社の技術力を高め、新規技術へキャッチアップすると共に、社内への情報発信による案件獲得やデリバリー強化、社外への発信により会社のプレゼンスを高める活動を行っています。

 

基本的に案件開発は行わないことが多いですが、社内の重要案件や、重大トラブルが発生した場合は、案件へ参画し技術支援を行うこともあります。

 

大手のインフラエンジニアに求められるスキル

Bulletin Board Stickies Business  - geralt / Pixabay

 

大手の元請けSIerなどで働くインフラエンジニアには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。

 

大手のSIerでは、所属する部門によって求められるスキルが異なりますが、概ね下記のスキルが重視されます。

 

  • インフラ技術スキル
  • マネジメントスキル
  • コミュニケーションスキル

 

インフラ技術スキル

 

インフラ技術スキルはインフラエンジニアの要なので、言うまでもないですが、最低限サーバーとネットワークの知識は必須です。

詳細な設計や構築作業は、外部ベンダーに依頼するパターンが多いものの、品質に責任を負う立場ですので、自分自身でも設計・構築でき、レビューで適切に指摘できるだけのスキルレベルは欲しいところです。

 

なお、今後は重点的に身に着けるべきスキルについても紹介します。

 

  • ネットワークのスキル
  • セキュリティのスキル
  • パブリック・クラウドのスキル
  • プログラミングスキル

 

AWSをはじめとするクラウドの普及により、インフラ構築に関するコストや期間は従来と比べて大きく削減できるようになってきています。

そのため、クラウドを取りいれた開発が増加していますが、ここに挙げたスキルは、クラウド時代を生きるために必要なスキルです。

 

クラウドが設計を簡略化させたといえど、クラウドでのインフラ設計にはネットワークやセキュリティの知識は必須です。

ネットワークの知識なくしてシステム構築はできませんし、適切なセキュリティを確保することは、開発の全責任を負う元請SIerとして何よりも重視されるポイントです。

 

また、IoC(Infrastrucure as Code)の意識の高まりもありますが、検証作業や開発環境のためにサーバーを迅速に用意することはSIerの仕事ですので、サーバーの自動構築などプログラミングのスキルが必要となる場面が今後も増えると考えられます。

 

マネジメントスキル

 

元請けSIerのインフラエンジニアは、基本的にリーダーやマネージャーの立場で開発プロジェクトに参画することが多いです。

3年目~4年目の若手にチームリーダーを任せることはごく普通にあり得ることです。

 

最初は小さなチームリーダーとして、リーダーシップについて学び、徐々に規模の大きなチームやプロジェクトを、プロジェクトマネージャーや、ITサービスマネージャーといった立場で統率していくことになります。

 

そのため、下記のような、プロジェクトマネージャーやITサービスマネージャーとして必要な知識を身に着け、実践していく必要があります。

 

  • PMBOK(Project Management Body of Knowledge)
    プロジェクト管理に関するノウハウや手法を体系的にまとめたフレームワーク
  • ITIL(Information Technology Infrastructure Library)
    ITサービスマネジメントの成功事例(ベスト・プラクティス)を体系化したフレームワーク集

 

PMBOKはPMP(Project Management Proffesional)というプロジェクトマネジメントに関する認定資格を取得するための教科書にもなりますし、大手のSIerではPMPの取得を積極的に推奨しているところもあります。

 

もちろん、マネジメントスキルは知識だけではNGで、実践が伴ってはじめて仕事に活かせるようになります。

さらにいうと、実践に加えて「人間性」が非常に重要です。

 

マネジメントとは、人とのコミュニケーションを伴う仕事で、様々な利害関係を持つ人達と難しいコミュニケーションを通じて仕事を進めていくものです。

前提となる知識はしっかりと身に着けた上で、SIerの業務の中で自らも人間として成長していく必要があるということですね。

 

コミュニケーションスキル

 

システム開発とは、SIerが独自で進められるものではありません。

 

システム開発は、お客様、ハードウェアやソフトウェアの製品ベンダ、下請け・協業ベンダ、自社の法務・総務部門など多くのステークホルダー(利害関係者)との共同作業です。

 

それぞれのステークホルダーとのヒアリング、コミュニケーションを密に行い、問題や課題も共有しながら一体となって開発を進めていく必要があります。

 

コミュニケーションは下記のようスキルに分類できますが、それぞれのスキルを伸ばしていく必要があります。

 

  • ヒアリングスキル
  • 交渉・折衝スキル
  • 文章作成・プレゼンテーションスキル

 

こうしたコミュニケーションスキルを身に着け仕事に活かすためには、実際のマネジメント業務の中で、多くのステークホルダーとのコミュニケーションを通じて人間としても成長することが重要です。

 

現職でどのようにスキルを磨くべきか

Success Stairs Board Drawing  - geralt / Pixabay

 

現在、SESや派遣として働いているインフラエンジニアの方が、大手SIerを目指す場合、現職でどのようなスキルを伸ばし、どのような経験をしておくべきでしょうか。

 

SIerの業務範囲は幅広く、顧客の業界や業種、企業によっても開発方法が異なり、またインフラそのものの技術も奥が深いため、多くを求めてもキリがありません。

ここでは、大手SIerのエンジニアに求められるスキルをもとに、SESや派遣先などでどのような意識をもって仕事に臨めばSIerに必要なスキルが身に付きやすいかをお話します。

 

  • インフラ技術スキル
  • マネジメントスキル
  • コミュニケーションスキル

 

インフラ技術スキルを身に付けるためには

 

インフラ技術スキルを身に着けるには、とにかく実機を触ることが近道です。

昔はネットワーク機器やサーバーを触るには、それなりのハードルがありましたが、現在はクラウドや仮想ネットワーク機器などがあり、比較的誰でも実機を触れるようになってきています。

 

もし現職で実際の構築作業や実装に関われるのでしたら、とにかく構築や実装の経験を積むことがおすすめです。

上流工程は、実装のイメージがないとお客様にわかりやすく伝えることが難しいです。

多くの構築や実装を繰り返すことで、OSやネットワーク機器の設定や動作・挙動に詳しくなり、よりリアリティをもってお客様と会話することができるようになります。

 

マネジメントスキルを身に付けるためには

 

SESや派遣でプロジェクトメンバーとして働いている方は、なかなかマネジメントスキルを身に付ける機会がないと思うかもしれません。

しかし、業務の中で「リーダー」「サブリーダー」といった立場を経験できるのであれば、十分にマネジメントスキルを身に着けることができます。

 

リーダーとは、複数のメンバーをまとめ上げ、一人ではやり切れない大きな仕事に責任を負う仕事です。

 

チームの目的を理解し、それをメンバー全員へ共有し、意識づけを行ってみんなで同じ方向を向き、メンバーの仕事振りや進捗状況をチェックし、問題が発生したら陣頭に立って旗振りを行い、かつメンバーの育成も考える必要のある難しい仕事です。

 

メンバーとリーダーとでは、業務の中で見えるものが全く違います。

純粋なタスク・作業だけに向き合うのではなく、チームを機能させるために様々なものに目を向け、やりくりを行う必要があり、それが結果としてマネジメントスキルの成長につながっていきます。

 

SIerの仕事も基本的にはチーム、プロジェクトといった単位で取り組んでいくものですので、リーダー経験は必須ということになりますし、リーダー経験の長い人は、マネジメントスキルも持ち合わせているとみなされることが多いはずです。

 

コミュニケーションスキルを身に付けるためには

 

コミュニケーションスキルは、意外と誤解している人が多いのですが、何も「ウィットに富んだ会話」や「テンポのよい上手な切り替えし」をする必要は全くありません。

 

仕事のコミュニケーションにおいて重要なポイントは下記3点です。

これさえ守れれば、たどたどしい話し方でも全く問題ありません。(声だけは大きい方が良いですが)

 

  • 自分が伝えたい事を正確に伝える
  • 相手が伝えたい事を正確に聞き取る
  • 相手が聞きたいことを正確に伝える

 

当たり前の事かもしれませんが、自分が話したいことだけを話して相手の話を聞かない人なんていくらでもいます。

それならまだしも、自分の伝えたいことが、相手が別に知りたくない、知る必要のないことだったということもよくあります。

 

ITエンジニアはコミュニケーションが苦手という人が結構多いですが、普段のやり取りの中で何に気を付ければよいのでしょうか。

 

ポイントは3点です。

  • 相手の立場や置かれている状況を考えて発言する
  • 相手の知識レベルに合わせた説明を心がける
  • 普段からコミュニケーションの量を増やし良好な関係性を保つ

 

コミュニケーションは、相手の立場や置かれている状況によって、伝えるべき内容や伝え方が変わります。

相手の立場や状況を考え、いま相手が何を知りたがっているのかを正確につかむことで、良好なコミュニケーションが可能になります。

 

また、相手の知識レベルに合わせた説明ができることは非常に大事です。

 

元請SIerでは、お客様とのコミュニケーションがとても多いです。

お客様は情報システム部門に所属している場合が多いですが、必ずしもITのプロフェッショナルというわけではありません。

むしろ、ITの素人であることの方が多いです。

そのようなお客様に対して難しい専門用語を使っても通じないばかりか、不信感を抱かれてしまう可能性があるため、易しくわかりやすい言葉に置き換えて伝えるスキルはとても大事です。

最後に、普段からチームメンバーやリーダー、他チームのメンバーやプロジェクトマネージャーなどとコミュニケーションを取り、純粋にコミュニケーションの量を増やすことも大事です。

コミュニケーションロスを防ぎ、何よりも良好な人間関係を築くことで仕事や大幅にやりやすくなります。

 

大手への転職方法と活用のポイント

Man Write Plan Desk Notes Pen  - StartupStockPhotos / Pixabay

 

大手SIerや外資のITコンサルティング企業など、大手と呼ばれる企業へ転職するにはどのような方法があるのでしょうか。

最近や採用活動も多様化してきていますが、大まかには下記の通りです。

 

  • Linkedinを活用する
  • 大手に勤めている知り合いを頼る(リファラル採用)
  • 大手の転職エージェントに頼る

 

Linkedinを活用する

 

Linkedinとは実名登録が前提のビジネス専用SNSです。

日本では200万人程度しか利用していませんが、世界では5億人が利用するとても知名度の高いSNSです。

 

 

Linkedinは主に下記を目的としたSNSです。

 

  • ビジネス上の繋がりの形成
  • ビジネスに役立つ情報収集
  • 就職・転職活動(主に外資系)

 

Linkedinに登録している優秀な人材を採用するために、企業の採用担当者や転職エージェントが積極的に利用しています。

最近は日系企業でも活用する流れが広まっていますが、特に外資系企業での利用が多く、英語でプロフィールを登録している人が非常に多いことが特徴です。

 

Linkedinを使って転職活動を行う際のポイントをお伝えします。

 

  • プロフィールはできれば英語で登録する(日本語でも登録は可能)
  • 自分の氏名、会社名、ポジション(役職)は全て正確に記載する
  • 過去の経歴や成果、担当したプロジェクトは可能な範囲でできるだけ詳細に記述する

 

プロフィールは日本語でも英語でも登録可能ですが、外資系企業への転職を希望する人は英語で登録することがおすすめです。

細かくプロフィールを記載しておくことで、企業の採用担当者や転職エージェントの目に留まり、スカウトが来るようになります。

 

1点だけ注意事項としては、「はじめて転職活動を行う人」にはあまりおすすめできないということです。

 

理由は、「条件交渉を自ら行うことになる」からです。

 

はじめての転職活動はとても緊張しますし、疲れます。

そんな中、もし、意中の企業から内定がもらえそうな局面で、あなたは自分が希望する年収を毅然と伝え、交渉ができるでしょうか?

 

Linkedinは、転職活動に慣れている人や、堂々と条件交渉ができる!と胸をはって言える人にはとてもおすすめできるサービスと言えます。

 

大手に勤めている知り合いを頼る(リファラル採用)

 

大手企業に勤めている知り合いがいて、その企業が「リファラル採用」を行っている場合なら、その知り合いに頼ることもひとつの手段です。

リファラル採用とは、自社の社員に人材を紹介してもらう採用方法です。

 

その企業の仕事内容や社風を理解している社員が紹介する人材なら、仕事内容や社風にマッチして活躍しやすく、定着率も高くなるため、採用コストも低いため積極的にリファラル採用を行う企業が増えています。

 

もしあなたが希望する企業に知り合いがいるならば、リファラル採用を行っているかぜひ確認をしてみましょう。

 

ただし、リファラル採用も、Linkedinと同様に「条件交渉を自ら行う」ことになるため、はじめて転職活動を行う人にとってはハードルがあるということは理解しておきましょう。

 

大手の転職エージェントを頼る

 

リクルートエージェントやdodaなど、大手の転職エージェントを頼るという方法もあります。

はじめて転職活動を行う人に対しては、最もおすすめできる方法と言えます。

 

転職エージェントとは、転職したいと考えている人と、人材を採用したいと考えている企業の間に立って、お互いのマッチングを行い、転職活動と採用活動両方の成功を支援するサービスです。

転職エージェントに登録すると、下記のようなサービスを無料で受けることができます。

 

  • キャリア相談
  • 求人の紹介
  • 応募書類や面接へのアドバイス
  • 企業との調整・条件交渉

 

まずはキャリア相談を受けるところからスタートします。

そして、求職者の経験や要望にマッチした求人の紹介、面接のセッティング、履歴書・職務経歴書の添削、面接の演習、給与・待遇などの条件交渉など、転職の成功に向けて様々なサポートを無料で行います。

このように、求職者を「無料で」内定・入社までトータルでサポートするのが転職エージェントの役割です。

 

転職エージェントは大手から個人経営までたくさんのエージェントが存在しますが、下記に挙げるような大手の転職エージェントは、本記事で取り上げているような大手SIerrや外資系コンサルティング企業の求人を多く持っているため、はじめて転職活動を行う人は、まず登録しておいても損はありません。

 

大手・外資系転職に強い転職エージェント

 

転職エージェントについては下記の記事で詳しく比較を行っていますので、興味のある方は読んでみてください。

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まとめ

 

大手企業のインフラエンジニアの仕事内容や必要なスキル、大手企業でインフラエンジニアとして転職するためのポイントについてお話しました。

 

最後にまとめです。

 

まとめ

  • インフラエンジニアとはITインフラの設計・構築・運用保守を行うエンジニア
  • 大手SIerのインフラエンジニアは、開発プロジェクトだけでなく、研究開発や社内システムを担当する場合もある
  • 大手のインフラエンジニアは、基本的にあまり構築作業や保守作業は行わず、上流工程やマネジメントを担当することが多い
  • 技術スキルも大事だが、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルが重要
  • 大手のインフラエンジニアになるためには、実装経験とリーダー経験が必要
  • 大手企業への転職はLinkedinやリファラル採用、転職エージェントを頼る方法がある
  • はじめて転職活動を行う人は大手の転職エージェントを頼ることがおすすめ

 

この記事を読んで、大手のインフラエンジニアを目指す方の参考になったらうれしいです。

 

  • この記事を書いた人

ヤマダヒロタカ

インフラエンジニア/ITアーキテクト/プロジェクトマネージャ。 SESのエンジニアから2度の転職を経て、現在某SIerにてマネージャーを務める。

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