IT業界研究

インフラエンジニアとは?仕事内容と年収、働き方について徹底解説【未経験者・就活生向け】

2020-08-26

悩める人
悩める人
・インフラエンジニアの仕事内容ってどんなもの?
・インフラエンジニアってどのような仕事内容?年収はいくらくらい?
・覚えることが多くて体力的にもきついと聞いたけど本当?

この記事はこういった人のために書きました。

 

  • この記事でお伝えしたいこと
  • インフラエンジニアとは
  • インフラエンジニアの業務内容
  • インフラエンジニアの年収
  • インフラエンジニアのキャリアパスと将来性

 

  • この記事を書いている僕はこんな人です

IT未経験から新卒でIT業界に入り、2度の転職を経て現在はSIerで部長として働いています。
キャリアは20年で、C言語のプログラマーから、インフラエンジニア、アーキテクト、PMを務め、現在は業界調査や人材育成、新卒と中途採用の面接官も務めています。
これまで、何百人ものITエンジニアと仕事を共に、数多くの転職希望者と採用面接を通じて接してきました。

 

この記事では、初心者向けにインフラエンジニアの仕事内容、年収、働き方について詳しく解説します。

 

一言でインフラエンジニアと言っても、様々な職種、働き方があります。未経験からIT業界への転職、または新卒でIT業界への就職を考えている人は、この記事でインフラエンジニアの仕事内容がどのようなものか、業界研究にお役立てください!
ヤマダヒロタカ
ヤマダヒロタカ

 

現在IT業界に興味のある就活生や、未経験からIT業界への転職を考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

インフラエンジニアとは?職種や働き方について

転職サイトなどでIT系の求人見ていると「インフラエンジニア」を募集している求人を見かけることがあります。

インフラエンジニアとはどのような職業かご存じでしょうか。

システムエンジニアやWebエンジニアについてはなんとなくわかるけど、インフラエンジニアはよくわからない、という人が多いと思います。

 

そもそもインフラとは?

インフラとは、インフラストラクチャー(Infrastructure)の略語で、「基盤」という意味があり、特に生活や産業などの経済活動を営む上で不可欠な社会基盤という意味で使われます。

電気、ガス、水道などが僕たちにとって身近な社会基盤として知られています。

電気は電線を通って、ガスはガス管、水道は水道管を通って家庭に供給されます。

このようなに、生活や産業に必要な物資を送り届けるものが「インフラ」と呼ばれています。

では、IT業界にとってのインフラとは何でしょうか?

エンジニアが作るシステム、プログラム、Webサイトは、サーバーという機器の上で動作し、ネットワークやインターネットを通して利用者がパソコンやタブレットなどから利用することができるようになります。

このサーバー、パソコン、タブレット、ネットワーク、インターネットといったものをITの世界におけるインフラと呼んでいます。

サーバーやパソコンなどのハードウェアだけでなく、サーバーの上で動作するOSや、ミドルウェアと呼ばれる特殊なソフトウェアなどもインフラの一部です。

 

ざっくりどんな仕事か?

インフラエンジニアは、ざっくり言うと「インフラの設計・構築・運用保守を行うエンジニア」です。

インフラと一言で言っても担当範囲がとても広いため、さらにサーバーやネットワーク、データベースなどいくつかの専門を持つエンジニアに分類されます。

インフラエンジニアとは、サーバーやネットワーク、データベース、運用保守など、それぞれに深い専門性を持つエンジニアの「総称」ということです。

 

システムエンジニアとの違い

システムエンジニアは、情報システム開発に携わるエンジニアの総称であり、正確にはインフラエンジニアもシステムエンジニアのひとつの職種です。

ただし、一般的には、システムエンジニアは「業務アプリケーション」を開発するエンジニアと見做されることが多いため、当ブログでは、アプリケーション開発を行うエンジニアを「システムエンジニア」と呼び、インフラを開発するエンジニアの総称を「インフラエンジニア」と呼ぶことにします。

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インフラエンジニアの担当範囲

インフラエンジニアが扱う機器やOS、ミドルウェアは、以下のようなものがあります。

 

インフラエンジニアの担当範囲

  • サーバー・サーバーラック
  • ストレージ(ディスク装置)
  • 端末(パソコン・タブレットなど)
  • ネットワーク機器(ハブ、スイッチ、ルーター)
  • ロードバランサー(負荷分散装置)
  • OS(Linux、Windowsなど)
  • データベース
  • ミドルウェア

 

インフラエンジニアの職種

インフラエンジニアには、様々な専門性を持ったエンジニアが存在します。

呼び方に明確な定義はありませんが、大まかに以下のような職種に分類できます。

 

サーバーエンジニア

ソフトウェアが動作する土台となるサーバーの設計・構築・運用保守を行うエンジニアです。

お客様と会話しながら、業務システムの規模や性能要件からサーバーのスペックや台数を見積り、システムの構成を決めます。

また、サーバーに搭載されるOSやミドルウェアの設計と構築、テストを行っていきます。

 

主な担当範囲

  • サーバー
  • サーバーラック(ラック構成の設計)
  • 端末(パソコン・タブレットなど)
  • OS(Linux、Windowsなど)
  • ミドルウェア

 

ネットワークエンジニア

コンピューター、サーバーを結ぶネットワークの設計・構築・運用保守を行うエンジニア。

お客様やサーバーエンジニアと会話しながら、サーバ間のネットワーク(LAN)や、遠隔地とのネットワーク(WAN)、インターネットとの接続を行うためのネットワーク機器の見積りや、ネットワーク構成を決めます。

また、ネットワーク機器の設計と設定を行い、システム全体が正しく接続しつながるかどうかテストを行っていきます。

主な担当範囲

  • ネットワーク機器(Hub、L2スイッチ、ルーター)
  • ネットワーク回線・配線・ケーブル類(LAN、WANなど)
  • ファイヤーウォール
  • ロードバランサー

 

データベースエンジニア

情報システムが利用するデータを格納・蓄積するデータベースの設計・構築・運用保守を行うエンジニアです。

データベースとは、業務アプリケーションが使用するデータを格納するための入れ物です。

データはただ格納するだけでなく、頻繁に検索されたり、大量のデータを長期間に渡って格納するなど様々な用途や使い方があります。

そういった使い方の要件をヒアリングし、検索性能を早くしたり、大量のデータを格納できるデータベースを設計し構築していく仕事です。

また、アプリケーションの仕様に合わせて、データベースに格納されるデータの構造(表・テーブル)を変更するDBA(Database Administoration)と呼ばれる管理業務も大事な仕事のひとつです。

ビッグデータ時代に伴い、ビッグデータに対応したデータベース製品を扱えるエンジニアはいまだ数少なく、市場価値の高い貴重な人材として扱われます。

 

主な担当範囲

  • データベース製品(RDBMS:Oracle Database、Postgresql、MySQLなど)
  • ビッグデータ対応型データベース製品(NoSQL:Apache Cassandra、Hadopなど)
  • データベース管理業務(DBA業務)

 

運用保守エンジニア

運用保守エンジニアは、情報システムの運用保守設計と構築を行い、サービス開始後は運用保守作業の実施を行うエンジニアです。

決められた時間に処理が動くようにする「ジョブスケジューラ」や、エラーが発生したときに適切に検知し、オペレーターに通知するための「監視ミドルウェア」、緊急時に備えたバックアップ・リカバリを行う「バックアップミドルウェア」などの設計構築を行います。

また、システムの開発だけでなく、お客様が日々システムを運用していくための運用作業や運用スケジュールを取り決めたり、作業のための作業手順書を作成し、オペレーターに引き継いでいくことも大事な仕事のひとつです。

 

主な担当範囲

  • ジョブスケジューラ
  • システム監視ミドルウェア
  • バックアップミドルウェア
  • その他システム解析情報収集ミドルウェア
  • 運用保守作業一覧(システムを運用・保守するために必要な作業のとりまとめ)
  • 運用保守作業手順書

 

ITサービスマネージャー

ITサービスマネージャーは、運用保守をサービスと捉え、サービスが適切に供給されていることに責任を持つエンジニアです。

システム開発が終わり、運用保守に入ると、故障やトラブルが発生します。

実は要件定義を行う際に、トラブル発生時は「何時間以内に駆け付け」「何時間以内に復旧」などサービスレベルと言われる指標を取り決めています。

また、トラブルだけでなく、運用作業や、設定変更などシステムに手を加える作業についても、指揮命令系統を明確化し、誰が、いつ、何のために作業を行うのかを適切に管理する必要があります。

これらを正しく守れているかをマネジメントし、システム全体として、お客様と取り決めたサービスレベルを守れていることに責任を持つのがITサービスマネージャーです。

 

主な担当範囲

  • サービス・レベル・アグリメント(SLA・サービス品質保証)
  • 運用保守全体のマネジメント

 

クラウドエンジニア

主にパブリッククラウド(AWS、Microsoft Azureなど)上で、クラウドが提供するサービスを組み合わせたシステムの設計・構築・運用保守を行うエンジニアです。

クラウドエンジニアは、AWSはAzureなど、パブリッククラウドサービスが広く使われるようになってきたことにより需要が出てきたエンジニアで、AWSやAzureが提供するサービスを熟知し、情報システムに必要なインフラをクラウドのサービスの組合せにより実現していくことに責任を持ちます。

最近はクラウドを利用して、短時間でコストパフォーマンスが高いシステムを構築することが当たり前になってきていますが、まだまだクラウドを手足のように使いこなせるエンジニアは少ないため、とても市場価値の高いエンジニアです。

 

主な担当範囲

  • パブリック・クラウド製品(AWS、Microsoft Azure、GCPなど)
  • クラウド提供サービスの組合せによるアーキテクチャ設計全体

 

インフラエンジニアの働き方

インフラエンジニアにはどのような働き方があるのかをお話します。

就業形態と立場によっていくつかに分類できます。

 

正社員(SIer)

SIerは「システム・インテグレーター」の略称で、企業や自治体などから業務システムを受託開発する企業です。

プログラミングやテストは通常は行わず、要件定義や基本設計などの上流工程、プロジェクトマネジメント、お客様との調整・交渉を主に行います。

 

二次請けのSIerや、SESや派遣で来ているエンジニアのマネジメントも行います。

従って、システムと向き合うというより、人間と向き合うことが多い仕事です。

客先常駐もありますが、基本は自社開発です。

プロジェクトが円滑に進められていれば、休みも取りやすく、給与水準も高いホワイト企業が多いです。

女性社員も男性社員も育児休暇を推奨していたり、2週間に及ぶ長期休暇も取れるところがあります。

35歳くらいからマネージャーに昇格し、年収1000万を超えることも珍しくありません。

 

新人や未経験のエンジニアは、勉強も兼ねてOSやミドルウェアのインストール作業、ネットワーク設定作業や、シェルスクリプト製造やテストなどの工程に携わります。

短い期間で技術を学び、下請けやSESのエンジニアの作った設計書やパラメーターシート、シェルスクリプトの「見る目」を磨いていきます。

基本的には独力で技術力を磨く癖をつけないと、徐々に技術から遠ざかることにもなります。

 

正社員(SES)

SESとは「System Engineering Service」の略で、基本的に1次請けSIerなどが提供する作業場所に常駐して、SEとして技術力を提供する仕事のことで、二次請け以降の会社で多くみられる契約形態です。

客先常駐となりますが、指揮系統は雇用者側にあります。

なので、SIerのSEは、SESで来ているSE(ややこしいですね)に対して直接指揮をすることはできません。

派遣社員のように扱うと「偽装請負」として法律違反になります。

請負契約でもないので、成果物の完成責任もなく、支払いの対価は労働力ということになります。

基本的にリーダークラスの人以外はプログラミング、環境構築、テストなどの下流工程に携わります。

なので僕は、文系出身の学生や、未経験でIT業界に入ろうとしている方は、まずSES企業で働いて技術力を身に着けることを強くオススメしています。

僕も実際にそうしていました。4年ほどでしたが、徹底的にOSやミドルウェアの構築やシェルスクリプト製造などを手がけた経験は自分の財産として今も活きています。

 

派遣社員

派遣社員SEは、派遣会社に登録しているエンジニアのことです。

SIerが提供する作業場所に派遣され、常駐して技術力を提供する仕事です。

SESと似ていますが、契約内容が異なり、指揮系統は派遣先の会社が持つことになります。

つまり、派遣先の現場のマネージャーやエンジニアなどから直接作業を指示されます。

SESと同じように技術力を身に着けることができますが、年収や福利厚生面でどうしても正社員と差が付いてしまいますし、雇用期限に3年の上限があるため、気に入った現場でも3年経つと別の現場に異動しなくてはいけなくなります。

従って、特別な理由がない限りは、技術力を徹底的に身に着けて、正社員かフリーランスに転向することをオススメします。

 

フリーランス

フリーランスはその名の通り、企業に所属せずに個人事業主として働くエンジニアのことです。

自分で案件を選ぶことができ、時間や場所に縛られない働き方も可能です。

また、給与ではなく直接、契約先の企業などから報酬を得られるため、正社員エンジニアと比較して年収アップを狙えます。

優秀なフリーランスにもなると、年収1000万~1500万という人もいます。

ただし、企業に所属しないため安定性が低く、失業保険などもなく、社会的な信用も会社員と比べると低くなるというデメリットもあります。

そのため、20代~30代のうちはフリーランスとして活躍し、最終的にはどこかの企業に就職して安定を得るというエンジニアは多いです。

 

覚えることが多くて体力的にもきつい?

インフラエンジニアは確かに非常に専門性が高いエンジニアです。

そのため、他の職種のエンジニアと比べても多くのことを覚える必要があるのは事実ですが、ひとつひとつの作業を理解しながら経験を続けていけば必ず身に付きます。

また、サーバーやネットワークのメンテナンスは、お客様の業務がない夜間や休日に行うこともあるため、夜勤や休日出勤も多い職種です。

以前や何日も夜勤が続いたり、休みが取れなくなるということもありました。

しかし、最近は労働環境に厳しい世の中でもあり、SIerでもSESでもそういったことはほとんどなく、きちんと交代制勤務や輪番制を採用していますので安心してください。

 

 

インフラエンジニアの業務内容

インフラエンジニアは、「インフラの設計・構築・運用保守」を行うエンジニアです。

システムエンジニアの業務内容を、システム開発の工程に沿ってお話します。

  • 要件定義:お客様と会話し、システムに必要な要件を決める
  • 基本設計:インフラの分類(サーバ、ネットワーク、データベースなど)ごとに、必要な機能や構成の設計を行う
  • 詳細設計:サーバー、ネットワーク、データベース、ミドルウェアなど導入する製品単位に詳細な設計とパラメーターの設計を行う
  • 環境構築・製造:それぞれの製品のセットアップ、設定作業を行う。また運用に必要なスクリプトの製造を行う
  • 単体テスト:構築した製品単位、スクリプト単位で、正しく動作するか確認する。
  • 結合テスト:複数の製品を組み合わせて正しく動作するか確認する
  • 総合テスト:業務アプリケーションも含めて、システム全体として要件が満たせるかを確認する
  • 運用受け入れ:サービス開始後の運用保守作業を行う業者、お客様などに引継ぎを行う

 

要件定義

お客様にヒアリングを行い、どのような要件を持つシステムを作るかを決める工程です。

ここでは、システムの壊れにくさ(可用性)や処理性能、セキュリティの強さ、運用保守の方針などを決める非機能要件定義書を作成します。

  • 成果物
  • 非機能要件定義書 (システムの性能や壊れにくさなどの非機能を整理)

 

基本設計(概要設計)

要件定義書に基づいて、システムのアウトライン(概要)を設計していく工程です。

概要と言っても、やることは非常に多く、広範囲に渡ります。

それぞれのインフラ製品ごとに専門のエンジニア(サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなど)が専任で就き、大勢のエンジニアが共同で作業を行っていきます。

  • 要件定義の結果をどのように実現するかを決める。

要件定義で定めた非機能要件(壊れにくさ、処理の性能、セキュリティの強さ、運用保守の方針)に従って、それぞれどのような手段で実現していくのかを設計します。

  • システムを構成するインフラの製品ごとの設計を行う

システムを構成するサーバ、ネットワーク、データベース、ミドルウェア製品ごとに、ひとつひとつどのような機能が必要で、どのような構成にするかを決めていきます。

それぞれの製品については、サーバーやネットワーク機器が何台必要か、ディスク容量がどれくらいあればよいかなど、システムのボリューム(規模)もここで確定し、それぞれの製品を製品開発ベンダへ発注可能な状態にする必要があります。

細かいところでは、マシンルームに設置するサーバーラックの中身の設計や、工事のための業者調整なども行う必要があります。

  • システムの運用保守に必要な作業や管理項目を決める。

サービス開始後に、システムを運用・保守するために日々どのような作業が必要か、故障やトラブルが発生した場合にどのような作業を行うかなどを決めていきます。

  • 成果物
  • 基本設計書(概要設計書)※製品ごとに分ける場合もありますが、1冊にまとめるやり方が一般的です。
  • システム構成図(サーバー、ネットワーク、搭載するミドルウェア製品の構成)

※プロジェクトやお客様によっては、要件定義の段階でシステム構成図を作成して構成を固めることもあります。

※クラウド(AWS、Azureなど)を利用する場合は、サーバーラックの設計や工事調整などは不要です。

 

詳細設計

基本設計書(概要設計書)に基づいて、インフラの製品単位で、詳細な内部処理と、それぞれの製品に設定する細かなパラメーターを設計する工程です。

この工程のそれぞれのインフラごとに専門性を持つエンジニアが共同で作業を行います。

サーバーのOSやミドルウェア、データベース、ミドルウウェアに設定する細かなパラメーターも決めていきます。

ミドルウェアの動作に必要なスクリプト(プログラム)や、運用保守作業に必要なツール類もこの工程で設計をしていきます。

  • 成果物
  • サーバー設計書
  • ネットワーク設計書
  • データベース設計書
  • ミドルウェア設計書(製品ごと)
  • ジョブ設計書
  • 監視設計書
  • パラメーター設計書(パラメーターシート)
  • スクリプト設計書・運用保守ツール設計書

 

環境構築・製造

詳細設計書、パラメーター設計書をもとに、実際のサーバー、ネットワーク、データベースなどの製品の構築を行う工程です。

この工程はまず、サーバーやネットワーク、ストレージ(ディスク装置)をマシンルームに設置する工事を行うところから始まります。

工事が終わったら、製品ごとに、開発ベンダから派遣されてくるエンジニアや、インフラエンジニアが分業でセットアップと、パラメーター設定、スクリプトやツールの製造を行います。

また、並行して環境構築が終わるまでに、以降のテストの計画や準備を行います。

  • 成果物
  • システム動作環境(サーバー、ネットワーク、各種ミドルウェアなど)
  • テスト計画書
  • 工事系のドキュメント類(建設業法で作成が必要な場合あり)

 

テスト

これまで設計・構築したインフラが正しく動作することを確認するためのテストを行います。

インフラエンジニアは、設計内容に抜け漏れがないこと、また設計書通りにインフラが動作するかを保障しなくてはなりません。

そのため、網羅的にテストを実施するための計画を立て、段階的にテストを実施し、故障(バグ)が発生した場合は速やかに原因究明や再発防止策を講じて改修を行います。

 

  • 単体テスト

まず、インフラの製品ごとに正しくセットアップ・設定できていることを確認する単体テストを行います。

多くの場合、製品ベンダの行うセットアップ後の動作確認や、パラメーターが設計書通りに設定されていることの確認を行います。

 

  • 結合テスト

サーバーがネットワークに接続された状態で、ネットワークの通信が可能か、ミドルウエアが全てのサーバ上で正しく動作できているかなど、インフラ全体としての動作が設計書通りであることを確認していきます。

また、業務アプリケーションが定められた時刻に、正しい順序で動作するか、エラーが出たときは正しく監視でき、画面にメッセージが表示されるかなども確認します。

 

  • 総合テスト

システム全体として一連の業務が仕様通りに実施できるか、システムの性能や壊れにくさが要件通りになっているかなどを確認する総合テストを実施します。

インフラエンジニアとしては、アプリケーションの性能が出ないとか、アプリケーションも含めてサーバーを落としたら想定外の動きをしたなどといった故障が起こることが多い、忙しい工程でもあります。

 

テストは、開発工程の中でも、最も時間を費やす工程であり、システムのサービス開始が近づいている時期に実施するため、開発プロジェクトの緊張感が最も高くなる工程でもあります。

最近はプロジェクトマネジメントの手法も進化しており、リスクは事前に摘み取ることが当たり前となってきているためあまり聞かれなくなりましたが、設計工程での仕様の詰めが甘かったり、工数見積もりの甘さによる要員不足などで起こるいわゆる「デスマーチ」はテスト工程で発生するケースが多いと言われています。

僕もデスマーチは経験したことがありますが、本当に帰れません。

毎日タクシーでシャワーを浴びるためだけに家に帰り、ちょっと仮眠してまたすぐ出社。

いつ刈り取り切れるかわからないバグや仕様変更と仁義なき戦いを繰り広げ、心が折れそうになりました。

(最近はこういうのは本当に減っているので、そんなに恐れないでくださいね)

  • 成果物
  • テスト計画書
  • テスト項目票(MCL、PCL、SCLとも呼ぶ)
  • テスト結果報告書(テスト工程ごと)

 

運用/保守

システムは作って終わりではありません。

サービスを開始した後は、そのシステムが長期間継続してサービスを提供できるよう、定期的な運用作業や、サーバーや、ネットワークのメンテナンスなどの保守作業を実施していく必要があります。

運用中のシステムには、テストで刈り取り切れなかった故障(バグ)が潜んでいる可能性があります。

また、サーバーやネットワーク機器といったハードウェアの故障が発生してシステムが一時的に動作しなくなったり、最悪の場合はシステムがダウンしてサービスが提供できなくなる事態に発展する場合もあります。

そうした事態が発生したら、インフラエンジニアは速やかに現場に駆け付け、原因究明を行うとともに、まずはサービスを継続させるための暫定的な対策を講じる必要があります。

顧客の立場に立つと、自社が提供するサービスが止まってしまうわけですから、金銭的な損害が発生する可能性もあります。

そうした最悪の事態にならないよう、できる限り迅速に対処することが重要です。

システムの保守レベルって要件定義工程で取り決めたりするのですが、企業の基幹システムや社会インフラとして稼働している重要なシステムは「24時間365日保守」が当たり前です。

つまり、夜間にシステムに問題が発生すると、真夜中でもお構いなしに電話が鳴ります。

普通は、その電話番を保守メンバーで輪番制にしたりしますが、当番の日はドキドキです。

 

特にリリースしたばかりのシステムはまだまだバグが多く、頻繁に電話が鳴るので、経験の浅い人は生きた心地がしません。(私も昔はそうでした)

電話が鳴ったら、とりあえず大きく深呼吸をして、ペンとノートを用意して落ち着いて電話を取ります。

電話を取ると、システムの監視画面に上がってきたメッセージを読み上げられます。

落ち着いて一言一句逃さずにメモします。何を書いているかわからなくて構わないので、数字とアルファベットだけは聞き逃さないように最大限の注意を払います。

 

提案

これまではシステム開発プロジェクトが立ち上がった後の開発工程についてご紹介しましたが、システム開発の案件を受注するまでに行う、提案という作業もシステムエンジニアの大事な仕事です。

営業と一緒になって、顧客が出すRFP(提案依頼書)に基づいてシステムの提案書や見積りを作成し、お客様の前で提案書のプレゼンテーションを行います。

提案書が採用されたら、自分が考えたシステムが世の中に出ることになりますので、非常にやりがいがあります。

また、提案書や見積もりを作成する期間は非常に短いです。

場合によっては1週間~2週間ということもよくあります。

その短い期間、提案チームは一丸となって作業に当たります。

ものすごい一体感が醸造されるので、受注できたときはチームみんなで大はしゃぎです。

 

インフラエンジニアの年収

転職・求人DODAが発表した平均年収ランキング(2019年)によると、下記のようになっています(抜粋)

 

■技術系(IT/通信)全体:457万円(生涯賃金:2億5338万円)
・1位 プロジェクトマネージャー:656万円(生涯賃金:3億0925万円)
・2位 プリセールス:625万円(生涯賃金:3億1316万円)
・3位 ITコンサルタント:611万円(生涯賃金:3億2649万円)
・7位 システム開発/運用:471万円(生涯賃金:2億3861万円)
・8位 サーバエンジニア:467万円(生涯賃金:2億5039万円)
・9位 ネットワークエンジニア:457万円(生涯賃金:2億4967万円)
・12位 制御系ソフトウェア開発:435万円(生涯賃金:2億5192万円)
・13位 Webサービスエンジニア:429万円(生涯賃金:2億3039万円)
・14位 SE/プログラマ:422万円(生涯賃金:2億2724万円)
・15位 データベースエンジニア:414万円(生涯賃金:2億5734万円)
・17位 運用/監視/保守:383万円(生涯賃金:1億7505万円)

出典:転職・求人DODA 平均年収ランキング(2019年)

 

技術系(IT/通信)全体の平均が457万円となっていることに対して、インフラエンジニアという職種が該当するのが7位~15位で、467万円~414万円となっています。

ほぼ技術系(IT/通信)全体の平均かやや低めな結果となっています。

※なお、17位の「運用/監視/保守」は、エンジニアというよりは運用オペレーターを指すため、ここでは除外します。

 

ただし、システムエンジニアの年収は、正社員、派遣社員、フリーランスといった働き方によって大きな差があり、また正社員でも一次請けの企業かそうでないかで差が出ます。

フリーランスの場合、優秀な人材なら年収1000万を超える場合もあります。

また、最近は優秀な技術人材が海外の高報酬な企業に流出するケースが増えています。

 

それに対抗して、NTTデータや富士通といった国内の企業でも、高度な技術力を持つ優秀な人材に2000万~4000万といった高い報酬を出す制度が確立されてきています。

もちろん採用のハードルは高いですが、システムエンジニアを極める自信がある人はチャレンジしてみるのも良いでしょう。

 

なお、特に一次請けの企業では、インフランジニアからプロジェクトマネージャーを目指すキャリアパスを用意しているところも多いです。

そうなると平均年収は656万~611万となり、より高い報酬を狙うことが可能となります。

 

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアのキャリアについてもお話します。

向き・不向き

インフラエンジニアに向いている人とはどのような人でしょうか?

プログラミングが得意な人?

論理的思考力(ロジカルシンキング)ができる人?

コミュニケーション能力が高く、人付き合いが得意な人?

これらは全て正解ですが、僕はこのように考えています。

 

「几帳面な人」

「なぜ動くのかを知りたい人・知ることが好きな人」

「新しいものや世の中の変化を恐れず楽しめる人」

 

ITの技術は日々進化を遂げ、新しい技術が次々と現れては消えていきます。

この3つを兼ね備えている人は、新しい技術にも恐れずチャレンジし、楽しめる人で、エンジニアとして最強の資質であると断言します!

 

なお、インフラエンジニアは、幅広く深い専門性が必要で、常に新しい技術にキャッチアップし続ける必要があります。

しかし業務の中で身に付く技術は限界があるため、下記で紹介するような書籍を読んで知識を補完することをオススメします。

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インフラエンジニアのキャリアパスと将来性

最後に、インフラエンジニアのキャリアパスと将来性についてお話します。

 

インフラエンジニアのキャリアパス

正社員、派遣社員、フリーランスと様々な就業形態がありますが、最初は誰でもまず技術力を磨くことからキャリアが始まります。

  • 手順書に沿ってシステムの構築や保守作業を行う
  • シェルプログラミングでツールや運用機能の開発を行う
  • 検証環境を作る

このように、まずは作業に慣れ、運用作業に必要なシェルスクリプトの作成や、OSやミドルウェアのインストール・設定作業などから経験を積むことが一般的であり、僕もオススメします。

こういった作業から始めることが多いでしょう。

これは新卒で企業に就職する人も、未経験からインフラエンジニアに転職する人も同じです。

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そして、基本設計や詳細設計などの設計工程を担当するようになり、顧客や外部の製品ベンダとのコミュニケーションや、進捗管理、課題管理といったチームのマネジメントを経験して、一人前インフラエンジニアとして働くことができるようになります。

この時点では、正社員、派遣社員、フリーランスとでキャリアパスに大きな差はありませんが、この先を考えると、正社員ではさらにいくつかのキャリアパスが用意されていることがあります。

例えば、特にSIerの正社員がインフラエンジニアとして経験をさらに積むと、今後はプロジェクトマネージャーとしてマネジメントを極めるか、サーバーやネットワークなど専門分野に特化した技術スペシャリストとして技術を極める、またはITサービスマネージャーとして、運用保守のエキスパートになるキャリアパスが用意されている企業もあります。

個人的には、今後クラウドが増えてくる中で、Amazonだけでなく、Microsoft、Google、Oracleと様々なベンダのクラウドを組み合わせたり、オンプレミスと組み合わせてシステムをデザインできるインフラ系のITアーキテクトの市場価値が上がると考えています。

また、派遣社員やフリーランスでは、基本的にはインフラエンジニアとしてのキャリアを歩み続けるケースが多いです。

 

インフラエンジニアからのキャリアパス

  • プロジェクトマネージャー(インフラ案件)
  • 技術スペシャリスト
  • ITアーキテクト
  • ITサービスマネージャー

このように、インフラエンジニアという仕事は、専門分野が多い分、多種多様なキャリアパスがある職種であると言えます。

 

インフラエンジニアの将来性

お客様が自前でサーバーやネットワーク機器を調達し、構築する「オンプレミス」という手法が主流でしたが、最近は、最近ではAWSやMicrosoft Azureなど、クラウドを利用した構築方法が増えてきました。

そのため、たびたび「インフラエンジニアの仕事はなくなる」と言われてきました。

本当になくなるのでしょうか?

僕は「No」であると断言します。

  • オンプレミスがなくなることはない
  • クラウドエンジニアにもインフラの技術は必要

クラウドは、サーバーの雛形が用意されており、それをパズルのように当てはめて構築しますが、実は大規模なシステムになればなるほど、その雛形がはまらないケースが多いのです。

日本の社会インフラとなるような大規模システムは、クラウドに合わない部分も多く、オンプレミスとクラウドを両方ハイブリッドに使うようになると考えられています。

また、クラウドだからといってインフラの知識がなくていいはずもありません。

「クラウドが落ちたから、仕方ないですよね」とお客様に言えませんよね。なぜ落ちたのか、インフラの知識を基に説明する必要があります。

こういった理由から、インフラエンジニアはこれからも必要とされます。

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まとめ

インフラエンジニアの仕事内容についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

インフラエンジニアは、非常に専門性の高い仕事です。

そのため、一日中モニターに向かい、データセンターでサーバーやケーブルに囲まれて一日を終えるイメージもあるかもしれません。

また、システムインフラの設定変更を行うのは休日や、平日夜間となることもあり、忙しい職場だと生活が不規則になりがちな面も確かにあります。

 

実際は、お客様、プロジェクトマネージャー、他のシステムエンジニア、外部のITベンダなど、人とのコミュニケーションが非常に多い仕事であり、実はヒューマンスキルが必要とされる仕事です。

たくさんの人と関わって大きなシステムを作り上げる非常にやりがいのある仕事であると言えるでしょう。

不規則な生活が一年中続くこともなく、通常時は他のエンジニアと同じように暮らしていますし、休めるときはまとまった休みが取りやすい仕事でもあります。

また、企業によっては優秀な人材として認められれば収入面で大きく優遇する制度も広まりつつあるため、収入面でもやりがいがある仕事です。

 

この記事を読んで、インフラエンジニアの働き方がイメージでき、少しでも業界研究のお役に立てたら嬉しいです。

  • この記事を書いた人

ヤマダヒロタカ

インフラエンジニア/ITアーキテクト/プロジェクトマネージャ。 SESのエンジニアから2度の転職を経て、現在某SIerにて技術系組織のマネージャーを務める。

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