コラム

ニュー・ノーマルな世の中と進化する技術に想うこと

2020-12-23

テレワークもだいぶ一般化してきたと思っていましたが、世間はそうでもないようです。

 

 

IT業界は比較的テレワークの導入が進んでいる企業が多いと思いますし、私の会社も社員の大半がテレワークで業務をしていますが、社会全体で見るとまだまだそうでもないようですね。

 

利用しない理由の首位は「勤務先(または派遣・常駐先)がテレワーク制度を導入していないから」で37.3%の人が挙げた。ノートパソコンやウェブ会議ツールなどIT(情報技術)インフラの導入に比べて、制度面での対応が後手に回る企業が少なくないようだ。

 

これはもう、経営層の方針というのもありますが、社会の大半を占めるであろう「40代・50代のおじさま方」がテレワークしないんからですよね。

私の会社も20代・30代は比較的テレワーク慣れが早いのに対して、40代以上は、

 

「いや~やっぱり出社しないとね、なんだかね」

 

という社員多いです。聞いてる限りですが、理由は主にこのふたつです。

 

  • テレワークツール(Zoom、Teams、Slackなど)を使いこなせない
  • 場の空気感を掴むことが難しいためオンラインだと仕事そのものがしにくい

 

テレワークツールは頑張って使ってる人も増えてきた印象ありますが、会社員は年を重ねてくると、自分自身の技能よりも「場の空気を掴みコントロールする」という能力が重視されることも多いので、納得できる部分はあります。

 

40代の私自身もテレワークに慣れるまではそれなりに時間がかかりました。

 

経営層も基本は40代以上という会社多いと思うので、まだまだ「出社すること」に価値を置いており、それがテレワーク導入の足かせになっているのかもしれませんね。

 

 

誰にも気付かれずに進行する『テレワークうつ』

 

同じ日経の記事ですが、

テレワークしない理由についての回答で、4月調査と比べて最も増えたのは「出社することでON/OFFを区分し、心身を仕事モードに切り替えたいから」だった。同回答を選んだ人の割合は23.5ポイントも増加した。

 

この意見は印象的でした。確かに、気持ちの問題ってかなり大きいと思います。

 

正直、テレワークをしていると、たまに気分が乗らないときもあります。

ちょっと煮詰まったときにソファーとかでゴロ寝してリフレッシュできるというメリットもあるんですが、なかなか仕事モードにならないことも多いですね。

 

気持ちの問題といえば、最近は「テレワークうつ」という言葉も生まれていますね。

 

 

不調の原因は、テレワークならではのストレスだ。自宅で一人でパソコンに向かい、仕事の報告をしたり、指示を受けたりするのはメールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が中心。職場で顔を合わせているのと違い、上司に相談するタイミングも計りづらい。そのため仕事が進まず、焦りや不安を抱えるようになってしまう。

 

これ、マネージャーにとっても、仕事で困っている人を見た目で判別できないというのは、現状のテレワークの大きなデメリットなんですよね。

 

仕事で詰まって困っている人って、あまり自らマネージャーに申し出てこないものです。真面目で責任感の強い人ほど特に。

なので、目視で仕事の様子を見られて、ちょっと悩んでいるように見えたらすぐにフォローできていたのがビフォー・コロナだったんですが、今は色々と工夫をしてはいるもののなかなか難しい状況です。

 

私自身、テレワークをやっていて、こういうときは「ああ、やだな」と思ったりします。

 

  • 会議で自分だけテレワークしていて会議中の雑談に混ざりにくい
  • 会議終了後、みんな会議室にいて雑談しているときに自分だけZoomを切られるとすごく寂しい

 

会議をやるなら全員テレワークで参加してほしいと思います。疎外感を感じて結構寂しいんですよ、これ。

 

出社でもテレワークでも、仕事で困っている社員をフォローするのは非常に重要なので、どの企業も工夫を尽くして対策している最中の「過渡期」というところですね。

 

ニュー・ノーマル(新常態)に合わせて進歩する技術

 

とはいっても、新型コロナをきっかけとして、世界は大きく変わってしまいました。

ニュー・ノーマル(新常態)の時代を勝ち抜くには、どの企業もテレワークをうまく活用して業績を上げ続けないといけないわけです。

 

最初の日経の記事に戻りますが、

 

「100年後には『昔は電車に乗って、オフィスという共有スペースに人が集まって仕事をしていたんですよ』と言っている気がします」(IT・通信、派遣・契約社員)。

 

まだまだハードルは多いですが、こんな世の中に向かっていってるのだと思います。

世の中を変えるには、「常識」とか「前提」を疑うことから始まるパターンもあれば、「不可能」に立ち向かうパターンもあり、今回は後者かなと思います。

 

これまではテレワークを含め、デジタルな技術がなくても「外に出さえすれば」業務も生活も回る世の中でした。

だから世の中を変える必要などなく、テレワークも普及せず、紙もハンコも電子化せず、行政手続きも役所に行かないとできないが、それでも問題なかったですよね。

 

それが新型コロナにより一変されてしまい、「外に出てはいけない」とされるようになってきました。

鉄道、航空、旅行、百貨店など、「外に出ることが前提」のビジネスは大打撃を受けておりビジネスモデルの変換を迫られる業界もあれば、逆に潤う業界もあり、正直今後もどうなるかわかりません。

 

それでも、テレワークやいろいろな電子化の導入などの技術は急ピッチで広がっており、近い将来、テレワークうつなども含めた問題も解消に向かうのでしょう。

 

  • 緩やかに変化する世の中に合わせ、技術の進歩も生活も緩やかに変化するこれまでの世の中
  • 急速に変化する世の中に合わせ、技術と生活も急速に変化していくこれからの世の中

 

どちらが良いのかはまだ答えはありません。

今思うのは、技術というものは、人々に受け入れられて進歩していくものと思っていましたが、人々の想いとは必ずしも関係なく、世の中に合わせ、もしくは世の中を変えながら進化していくんだな、と実感しています。

 

  • この記事を書いた人
ヤマダヒロタカ

ヤマダヒロタカ

インフラエンジニア/ITアーキテクト/プロジェクトマネージャ。 文系出身でIT未経験から2度の転職を経て、現在大手SIerにて技術系組織の部長を務める。インフラ技術を軸に最適なITアーキテクチャを提案することが責務。

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