IT業界研究

文系出身者が新卒や転職でエンジニアとして活躍できると言える3つの理由【文系出身エンジニアが語る】

2020-07-21

悩める人
悩める人
・文系出身だけどITエンジニアとして活躍できる?
・大企業や給料のよい会社は理系の方が有利ですよね?

 

この記事はこういった人のために書きました。

 

ヤマダといいます。

 

<プロフィール>
新卒でSES企業に入り、2度の転職を経て現在はSIerで部長職として働いています。
キャリアは20年で、C言語のプログラマーから、インフラ、ITアーキテクト、PMを務め、現在は業界調査や人材育成、採用面接も担当しています。
これまで、何百人ものITエンジニアと仕事を共にし、数多くの転職希望者と採用面接を通じて接してきました。

 

IT業界での長年のキャリアと、過去の転職経験、現役の採用面接官として信頼性の高い情報を発信しています。

 

この記事でお伝えしたいこと

 

  • ITエンジニアの仕事内容
  • ITエンジニアに文系出身者は多い?
  • ITエンジニアは理系の方が就職しやすいか?
  • ITエンジニアに求められる資質とスキル
  • 文系出身者がITエンジニアに向かないと思われている理由
  • 文系出身者でもITエンジニアとして活躍できると言える3つの理由
  • 文系学生がITエンジニアを目指すときにやるべきこと
  • 文系出身ITエンジニアにおすすめの書籍

 

この記事では、ITエンジニアに求められる資質やスキルについて解説しつつ、文系・理系問わずITエンジニアとして活躍できる理由についてお話します。

 

結論からいうと、文系出身でもITエンジニアとして活躍できますし、大企業でも問題ありません。
ITエンジニアの業務は、理系出身者が有利というイメージがありますが、実は文系・理系の区別はほとんど関係なく、本質的な議論ではありません。
ヤマダ
ヤマダ

 

文系出身でITエンジニアを目指している人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

エンジニアの仕事内容とは

 

ITエンジニア(システムエンジニア)とは、一般論を言うと「お客様と会話し情報システムを設計する職種」です。

 

お客様の要求を理解し、システムに求められる要件をまとめ、仕様と設計をまとめる上流工程を担当します。

 

また、予算や開発要員、進捗管理などのマネジメントも行います。

 

ITエンジニアがまとめた仕様書・設計書をもとに、プログラマーがコードを書き、テストを実施します。

 

システム開発にはいくつか手法がありますが、一般的にはエンジニアとプログラマはこのように開発工程で役割を分担すると言われています。

 

開発工程

エンジニアの仕事内容

プログラマの仕事内容

要件定義

お客様と会話し、システムに求められる機能や性能、セキュリティなどのシステム要件を整理する

進捗管理などのマネジメント業務やお客様への報告、調整、折衝などを行う

基本設計

システム要件から、大まかな設計を行う

詳細設計

基本設計をより詳細な設計に落とし込む

製造

詳細設計をもとに、プログラムを作成する

テスト

テスト計画を作成し、またテスト結果の取りまとめと品質チェックを行う

作成したプログラムが設計の通りに動作し、システム要件を満たしていることを確認する

 

ただ、実態はこのように厳密に分担されていることは珍しく、エンジニアとプログラマの境目は曖昧だったりしますが、エンジニアの仕事内容をよく見ると、お客様への報告・調整や、チームのマネジメント業務など、コミュニケーションを必要とする仕事が多いということです。

 

ここが、文系出身エンジニアでも活躍できるというポイントのひとつでもあります。

 

ITエンジニアに文系出身者は多い?

 

ITエンジニアという職業は、理系出身者が圧倒的多数を占めているイメージがあると思いますが、実は文系出身者も多いのです。

 

下記は、IT人材における出身学部(文系・理系の別)の割合です。

 

※出典:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2020」

 

これはITエンジニアに限らず、IT関連職種全体を示すデータですが、日本のIT人材は文系出身者が30%強を占めていることがわかります。

 

先端IT従事者とは、AIやブロックチェーンなど、いわゆる「デジタル技術」に携わる人材で、それ以外のIT技術に携わる技術者を非先端IT従事者と呼びます。

 

いわゆる業務システム開発に携わるITエンジニアの多くは「非先端IT従事者」に分類されます。

 

いずれにせよ、文系出身者でもITエンジニアになることは可能だということです。

 

ITエンジニアは理系の方が就職しやすいか?

 

文系出身者は理系出身者と比べて就職のしやすさに差があるのでしょうか。

 

結論からいうと、理系出身者の方が有利なのは確かですが、就職のしやすさに大きな差はありません。

 

下記はIT企業が新卒IT人材を採用するにあたり、重点的に採用した学生の専攻を、従業員規模別に示した表です。

 

専攻

~30名

31~

100名

101~

300名

301~

1,000名

1,001名

全体

情報系

38.5%

35.7%

25.9%

33.0%

19.6&

32.0%

理系

7.7%

13.5%

15.1%

9.6%

28.3%

13.5%

文系

4.3%

1.4%

0.0%

0.9%

0.0%

1.2%

こだわらない

49.6%

49.5%

59.0%

56.5%

52.2%

53.3%

※出典:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2017」

 

情報系を含む理系出身者の採用を重視している企業は全体の32%を占めていますが、一方で、専攻にはこだわらないという企業も53%強と大半を占めていることがわかります。

 

また、規模に関わらず、専攻にはこだわらないという企業が50%前後を占めていることもわかります。

 

IT企業は新卒のIT人材を採用する際に、どのような点を見ているのでしょうか。

 

下記は、情報系の学生を重点的に採用したIT企業に、新卒IT人材を採用する上で魅力的な能力や経験を尋ねた結果のうち1位から3位までをまとめた表です。

 

能力・経験

1位

2位

3位

合計

積極性、自主性、チャレンジ精神

39.2%

25.0%

12.2%

76.4%

協調性、社風への適応力

11.5%

26.0%

22.4%

59.9%

専攻分野の知識・スキル

27.7%

12.0%

14.7%

54.4%

職種への適性

11.1%

14.0%

14.7%

39.8%

学業における「成績」や能力テストの成績

4.7%

10.6%

7.7%

23.0%

一般常識

1.4%

4.5%

9.8%

15.7%

IT関連の保有資格

2.0%

3.4%

7.3%

12.7%

リーダーシップ

1.4%

2.7%

5.6%

9.7%

デザイン力、発想力

0.0%

1.0%

2.8%

3.8%

ネットワーキング力(人脈形成能力)

1.0%

0.3%

1.4%

2.7%

インターンシップの実績

0.0%

0.3%

1.0%

1.3%

海外経験(帰国子女や海外留学)

0.0%

0.0%

0.3%

0.3%

※出典:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2017」

 

意外に思われるかもしれませんが、過半数の企業が「専攻分野の知識・スキル」よりも、下記の能力・経験を重視しているという結果になりました。

 

  • 積極性、自主性、チャレンジ精神
  • 協調性、社風への適応力

 

つまり、文系出身者でも、積極性や自主性、チャレンジ精神、適応力がある人材であれば、システムエンジニアとして就職がしやすいと言えます。

 

ITエンジニアに求められる資質とスキル

 

文系、理系の話をする前に、ITエンジニアに求められる資質・スキルとは何かについてお話します。

 

ITエンジニアの資質を持つ人、つまり「エンジニアに向いている人」とは、下記のような人です。

 

  • とりあえずやってみる人
  • ものづくりが好きな人
  • 新しいものに抵抗がない人

 

ITの技術は日進月歩で新しい技術が生まれてきますが、こういった人は、新しいものに抵抗がなく、とりあえず手を付けてアウトプットできる傾向があります。

 

また、ものづくりが好きな人は「なぜ動くのか」「なぜ動かないのか」を突き詰める傾向があり、技術の本質に辿り着きやすいと言えます。

 

次に、ITエンジニアに求められるスキルについてもお話します。

 

具体的には下記です。

 

  • ITスキル
  • コミュニケーションスキル
  • ロジカル・シンキング

 

プログラミングスキルや情報処理の知識といった「ITスキル」だけでなく、顧客やチームと仕事を進めるための「コミュニケーションスキル」や、設計や、問題発見、問題解決に必要な「ロジカル・シンキング」(論理的思考力)といったいわゆる「ソフトスキル」も必要になります。

 

文系出身者がITエンジニアに向かないと思われている理由

 

よく、ITエンジニアは理系出身者向けの職種で、文系出身者には向かない職業と思われがちですが、なぜでしょうか。

 

よく言われている理由は、下記です。

 

  • エンジニアリングは数学の知識が必要
  • 理系脳の方が向いている
  • コンピューター・サイエンスを学んでいるから強い

 

半分正解、半分間違いといったところです。

 

まず、数学の知識ですが、数学が出来た方がアルゴリズムを理解するのは早いかもしれませんし、AIで画像認識とかいった分野では数学の知識が必要となりますが、そういった特定分野以外では、基本的に算数(四則演算)ができれば困ることはありません。

 

理系脳 =ロジカル・シンキングが出来ることと定義すると、それは慣れと習得の問題なので文系脳でも問題ありません。

 

ただ、コンピューター・サイエンスを学んでいる人、特に大学院を出ている人は強いです。

 

就職した時点でコンピューターの原理・原則を学んでいるので、実務でも理解が早いでしょうし、新しい技術でも応用を効かせてすぐに自分のものにできるでしょう。

 

ただ、理系の学生みんながコンピューター・サイエンスを学んでいるわけではありません。

 

このように、文系と理系とでは、スタート地点では理系出身者の方が先に出ていることがあるかもしれませんが、言われている程は差が付かず、どちらかというと働きながら努力をした方が大きく差がつくものだということです。

 

文系出身者がITエンジニアとして活躍できると言える3つの理由

 

ここまでお話したように、エンジニアはイメージ的にも理系出身が有利と思われる職業かもしれません。

 

しかし、ここまで読み進めて頂いた方ならもうお気づきかもしれませんが、実は、文系・理系の本質的な違いなどありません。

 

  • 論理的=理系
  • 感覚的=文系

 

というイメージが世の中にはありますが、はっきりいって、教科の好き・嫌いと、教科が持つ特性(数学など)に思考が寄ってきて最適化されているに過ぎないです。

 

そして、エンジニアとして求められるスキルについても、文系、理系はほとんど関係がないということです。

 

ITエンジニアに求められるスキル

  • ITスキル
  • コミュニケーションスキル
  • ロジカル・シンキング

 

ここまでのお話を踏まえ、文系出身者でもエンジニアとして活躍できる理由についてお話します。

 

ITスキルは文系と理系で差が付かない

 

エンジニアに求められるITスキルとはどのようなものを指すのでしょうか。

 

エンジニアに最低限必要なITスキルは、下記です。

 

  • プログラミングスキル
  • 情報処理の知識

 

これらのスキルは、理系だから圧倒的有利というものではないです。

 

理系、文系問わず、習得のためには時間と労力、そして情熱が必要です。

 

プログラミングスキル

 

プログラミングというと、理系が有利と思うかもしれません。

 

確かに、理系の学生は学校のカリキュラムの中にプログラミングが組み込まれていることが多く、就職した時点では理系出身者の方が知識も経験もあるため有利なことが多いです。

 

しかし、ほとんどのシステム開発の現場で必要なプログラミングは「コードをどれだけ書いてきたか」で大きく差が付く世界です。

 

もちろん、センスもある程度必要となりますが、理系出身者は文系出身者よりもたくさんコードを書いてきただけに過ぎないのです。

 

また、科学技術計算のような高度なプログラムを書く必要はありません。

 

逆に、そのような難しいコードを書いてしまうと、修正や解析が困難になるため、嫌われます。

 

誰にでも読める易しいコードを書くことが求めまれます。

 

なので、実はエンジニアに求められるプログラミング能力とは、よく使われるメジャーな命令、関数、ライブラリを使って、誰にでも読める易しいコードを書く能力、ということになります。

 

もちろん、コードを書く量はこなしてほしいと思います。

 

たくさんコードを書かないと、そもそも何が易しくて何が難しいコードなのかも判断ができないと思いますので。

 

ちなみに私は、最初のうちはとにかく人が書いたコードを丸写しして動かしていました。

 

また、それを少しずつ改造して、どう動きが変わるのかを試しているうちに覚えることができました。

 

まずは書いてみて、動かしてみること。それに尽きます。

 

 

情報処理の知識

 

システムを設計し構築するためには、情報処理の知識が必要不可欠です。

 

情報処理の知識とは、IPAが主催している情報処理技術者試験の内容がそれに近いです。

 

おそらく、エンジニアとして働き始めると、情報処理技術者試験を受験せよ!と義務付けられることになると思います。

 

最初のうちは、内容もよくわからず、なぜこんな試験を受けないといけないんだ!と思われることもあるかと思います。

 

ただ、実は情報処理技術者試験の内容は、エンジニアが業務の中で経験する内容が非常に端的にまとめられいます。

 

エンジニアに必要なエッセンスがギュっと凝縮されています。

 

まず、よくわからないながらも頑張って資格をとって、業務の中で「ああ、これが試験に出てきたあの内容か」となってもいいですし、その逆でもいいです。

 

エンジニアの業務内容を体系化して整理した内容が情報処理の知識になります。

 

これも、理系出身者は学生のうちに資格を取っていることが多いですが、先ほどお伝えしたように、業務から先に覚えてあとで資格の勉強を行って自分の知識を体系化するのでも構いません。

 

情報処理の知識だけがあったところで、業務の即戦力になるわけではありません。経験と知識がきちんと紐づいてこそ、業務に生きるノウハウとなります。

 

コミュニケーション能力は文系と理系で差が付かない

 

エンジニアは、システム開発の前段階や、システム開発の現場において、お客様や、プロジェクトマネージャー、プログラマーなど、実に多くの人とコミュニケーションを取ることが求められます。

 

僕が所属しているSIerのエンジニアを例にとって説明します。

 

SIerのエンジニアは開発工程ごとに仕事内容が変わります。

 

要件定義

 

要件定義では、システムに必要な「機能」の要件や、システムが継続して使い続けられる度合いや、システムの処理性能、運用保守のしやすさといった「非機能」の要件をお客様にヒアリングし、システムの仕様として整理します。

 

ここで重要なことは「お客様の業務」を正確に理解できるかということです。

 

お客様の業務を理解できていないと、まずお客様と会話が成り立ちません。

 

ITの専門用語が一般の人に通じないように、お客様の業務にはその業界なりの専門用語が存在します。

 

お客様とコミュニケーションを行うために、お客様の業務内容や専門用語を理解する必要があります。

 

お客様の業務内容を勉強し、コミュニケーションを取ることは、理系も文系も関係ありません。

 

私はこれまで20年のキャリアの中で多くのエンジニアと仕事をしてきましたが、お客様の業務内容とITの知識をうまく絡めて、わかりやすくお客様に伝えるのはむしろ文系出身者のほうが得意だと思う場面がいくつもありました。

 

設計

 

基本設計や詳細設計などの設計工程では、要件定義で整理した仕様をもとに、システムの設計書を作成します。

 

ここで重要なことは、お客様はITの専門家ではない場合があることです。

 

むしろ、多くの場合、お客様はITの初心者です。

 

エンジニアは普段から難しいITの専門用語に慣れ親しんでいるため、無意識のうちに専門用語を使ってしまいますが、お客様は理解できないかもしれません。

 

そうなるとやはり会話が成り立ちません。

 

実はエンジニアには「難しいことを易しく伝える能力」が非常に強く求められます。

 

しかし、これができるエンジニアが実に少ないのです。

 

多くのエンジニアは「難しいことを難しく伝える」ことは得意なのですが、IT初心者にとっては理解しにくい上に説明に時間がかかります。

 

これではお客様は不満がたまる一方で、そのエンジニアに対する評価も下がってしまいますし、何度も説明をやり直すことになり、スケジュールの遅れにつながる可能性すらあります。

 

文系出身者は、いかにも理系的な難しい内容を理解するために、理系出身者より時間がかかることがあるかもしれません(私はそうでした)が、自分が理解するために誰にでもわかる易しい言葉に置き換えて理解することはありませんか?

 

実はお客様とのコミュニケーションには、そのように易しい言葉に置き換えて伝える力が求められるのです。

 

システム開発全体

 

これまではコミュニケーションの重要性について、システム開発の工程ごとに見てきましたが、エンジニアには進捗管理や、開発要員の稼働管理などのマネジメント業務も行う必要があります。

 

マネジメント業務で取り扱う対象はシステムではありません。

 

「人間そのもの」を取り扱います。

 

システム開発にはトラブルが付き物ですが、トラブルが起きるのはサーバーやネットワーク機器の故障やプログラムのバグといったものだけではありません。

 

人間同士のトラブルもよく怒ります。言い争い、ケンカなどです。

 

私が経験したのは、とあるプロジェクトでインフラ開発リーダーを務めていたときのことです。

 

ある日の朝、SESで常駐していたエンジニアから電話が入り、「会社が倒産しそうだから今日から出社しません」というものでした。

 

これは参りました。

 

ただでさえ人不足で困っていた中、担当の作業を放り出して出社拒否の連絡。

 

電話で説得しても「あなたが給料を払ってくれるのか?」と言って譲りません。

 

困り果てて派遣元の会社の社長に電話をしたら、そのエンジニアの誤解であったことがわかり、どうにか事なきを得ましたが、こういう人間的なトラブルにも対応しないといけません。

 

エンジニアはリーダークラスにもなると、人間力といってもいい、実に難しいコミュニケーション能力を問われます。

 

これも、文系・理系とで差が付くものではありません。

 

ロジカル・シンキングは文系と理系で差が付かない

 

ロジカル・シンキングはエンジニアの業務の中で、実に様々な場面で求められるスキルです。

 

設計でも、プログラミングでも、アルゴリズムを理解するためにロジカル・シンキングの能力は必要です。

 

プログラミングでは理系出身者は「一日の長」があるかもしれません。

 

プログラミングの経験がない文系出身者は実務や独学で努力するしかありません。

 

ただ、ロジカル・シンキングが必要となるのは設計やプログラミングだけではありません。

 

エンジニアは文章を書く能力も求められます

 

システムエンジニア(SE)は「資料エンジニア(SE)」と揶揄されてしまうくらい、多くのドキュメントを執筆します。

 

※これには否定的な意見も多いですが、システム開発は請負契約が前提となるため、自身の作業を作業成果物として形に残すためだったり、後から言った言わないの話にならないよう、逐一やりとりを文書に残す必要があります。

 

エンジニアはシステム開発プロジェクトを通して、設計書だけでなく、プロジェクトやテストの計画書、報告書、議事録、テストの結果報告書、トラブル報告書など、書き出したらキリがない程たくさんのドキュメントを執筆することになります。

 

文章といっても、読書感想文のような自由な文章ではなく、誰が読んでも同じ結論に辿り着く、ロジカル(論理的)な文章である必要があり、ここでもロジカル・シンキングの能力が必要となります。

 

トラブル報告であれば、発生したトラブルの内容を5W1Hを使って端的にとらえ、いつ、どのシステムのどの箇所で、どのようなトラブルが起きたのか明確にします。

 

その上で、トラブルの影響範囲や、原因を究明し、ひとまずお客様の業務を継続するために暫定的にこのような対処をして、後で二度と起きないようにこのような対策を取ります、といった流れをお客様にわかりやすく報告します。

 

直接原因から真の原因にいたるまでは、「なぜなぜ」を何度も繰り返し、自ら原因を検証し、論理を突き詰めていく必要があります。

 

プログラミングや設計は理系出身者に「一日の長」があるかもしれませんが、こうした論理的な文章作成に必要なスキルは、理系も文系も関係ありません。

 

文系学生がITエンジニアを目指すためにやるべきこと

 

この記事では、文系出身者も理系出身者も関係なくエンジニアとして活躍できるというお話をしてきました。

 

ただ、これまでもお話したように、スタート地点においては理系出身者の方がアドバンテージがある場合があります。

 

プログラミングや、情報処理の勉強をしたことがなく、パソコン自体もあまり触ったことがないという方もいるかもしれません。

 

そのような完全に未経験の方がエンジニアを目指すにあたり、就職・転職する前にやっておくことをおすすめする内容を紹介します。

 

  • ブラインドタッチの習得
  • Officeを使いこなす!
  • EXCELマクロの習得

 

なぜこの3つなのか?というと、理由は2つです。

 

  • パソコンをツールとして使いこなせるようにする
  • プログラミングの考え方と基礎を学ぶ

 

エンジニアにとって、パソコンは道具です。

 

パソコンの操作自体や、WordやEXCEL、PowerPointといったOfficeソフトを使いこなせることは必須です。

 

また、Officeさえ入っていれば使えて、特別な開発環境を作る必要のないEXCELマクロ(EXCEL VBA)は、非常に気軽に学ぶことができるプログラミング言語です。

 

ネットにいくらでも情報が載っているため、未経験者が最も学びやすい言語でもあります。

 

そして、マクロを実行するとEXCELが実際に動作するため、プログラムの動作を目で見える形で追うことができ、どのように動いているのかがわかりやすいという初心者にとって大きな利点があります。

 

プログラミングは、言語によって書き方・文法などは異なりますが、基本的な考え方(順次・反復・分岐)はどの言語も変わりません。

 

EXCELマクロでその基本的な考え方の全てを学ぶことができます。

 

もちろん、上記以外で、例えば情報処理試験の勉強なども出来る人はやっておくと良いと思います。

 

未経験エンジニアが成長するために学ぶことについては、下記の記事で詳しく解説していますので、よかったら読んでみてください。

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文系出身ITエンジニアにおすすめの書籍

 

最後に、文系出身の方、IT未経験の方向けにおすすめの書籍を紹介します。

 

書籍は、あるテーマに従って情報が体系的に整理され、よくまとまっています。

 

ITについては世の中にたくさんの書籍があります。

 

もちろん初心者向けと書かれている書籍も多いので、実際に書店で手に取って、自分にとってわかりやすく書かれているかどうかをチェックしましょう。

 

最初のうちは、いろんな書籍に手を出すのではなく、1冊の書籍を何度も何度も、自分が完全に理解できるまで繰り返し読むことをオススメします

 

下記の記事で、エンジニア未経験・初心者向けにオススメの書籍をまとめていますので、ぜひ読んでみてください。

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まとめ

 

文系こそがエンジニアに向いている理由や、必要なスキルについてお話しましたが、いかがでしたでしょうか。

 

エンジニアに向いている人にはある程度、特徴に一定の傾向があります。

 

そこには文系も理系も関係ありません。

 

スタート地点が少々違うだけです。

 

ただ、もちろん、IT業界で活躍できるエンジニアになるためには、文系も理系も情熱をもって努力していく必要があります。

 

この記事を読んで、文系だからとSEをあきらめたり、不安に思っていた方がもう一度IT業界を目指してみよう、頑張ってみようと思うきっかけになってもらえたら嬉しいです。

  • この記事を書いた人

ヤマダヒロタカ

インフラエンジニア/ITアーキテクト/プロジェクトマネージャ。 SESのエンジニアから2度の転職を経て、現在某SIerにて技術系組織のマネージャーを務める。

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