
・担当の転職エージェントと相性が良くないかも。他のエージェントを利用することはお作法的にOK?
この記事はこういった人のために書きました。
- この記事でお伝えしたいこと
- 転職エージェントとは
- 転職成功のために知っておきたいこと
- 複数の転職エージェントに登録するメリット
- 複数の転職エージェントに登録するデメリット
- 転職エージェントの選び方と注意点
- この記事を書いている僕はこんな人です
文系出身でIT業界に入り、2度の転職を経て大手SIerで部長として働いています。
キャリアは20年で、プログラマーから、インフラエンジニア、アーキテクト、PMを務め、現在は採用面接官も務めています。
IT業界での長年のキャリアと、過去の転職経験、現役の採用面接官として信頼性の高い情報を発信しています。
この記事では、ITエンジニアの転職において、転職エージェントを複数併用しても問題ないか?についてお話します。

現在転職に興味がある、または実際に転職を考えているITエンジニアの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
転職エージェントとは
まず転職エージェントとは何か?についてお話します。
転職エージェントとは?
転職エージェントとは、転職したいと考えている人と、人材を採用したいと考えている企業の間に立って、転職成功を支援するサービスです。
転職をしたい人からすると、求人紹介から面接対策まで、業界動向や転職のノウハウを持つプロによる転職支援が無料で受けられるサービスということになります。
転職エージェントの役割
転職エージェントの目的は「企業と求職者をマッチング」させることにあります。
具体的には下記のような役割を持ちます。
転職エージェントの役割
- キャリア相談
- 求人の紹介
- 応募書類や面接へのアドバイス
- 企業との調整・交渉
転職エージェントへ登録をすると、まずキャリア相談から始まります。
そして、求職者の経験や要望にマッチした求人の紹介、面接のセッティング、履歴書・職務経歴書の添削、面接の演習、給与・待遇などの条件交渉など、転職の成功に向けて様々なサポートを無料で行います。
このように、求職者を「無料で」内定・入社までトータルでサポートするのが転職エージェントの役割です。
転職エージェントは複数登録することが前提
転職エージェントは、複数併用して登録しても全く問題ありません。
転職エージェントのアドバイザも、自分の顧客となる求職者がエージェントを複数登録していることを前提にサポートをしてくれます。
ただし、理由は後述しますが、担当のアドバイザには必ず複数転職していることを伝えて、転職の進行状況を共有するようにしましょう。
転職成功のために知っておきたいこと
転職エージェントから様々なサポートを無料で受けられるため、エージェントに全てお任せすれば転職を成功できるように見えます。
しかし、求職者側も知っておきたいポイントがいくつかあります。
転職成功率はアドバイザへの依存が大きい
現在、大手から中小まで含め、全国に17,000もの転職エージェントがあると言われています。
(出典:厚生労働省 平成23年度職業紹介事業報告の集計結果)
そして、全国の転職エージェントのほとんどは、個人~数名程度までで運営されている、いわば個人事業主、もしくは中小零細企業です。
転職エージェントは個人でも運営可能であり、企業に所属するより儲かるので、大手エージェントでも優秀な成績を収めるような人は独立して個人事業主や、自分で会社を立ち上げるケースが多いのです。
大手の転職エージェントでは、こうした事態をなるべく避けるため正社員雇用が減っており、契約社員を使ったり、若手にどんどん仕事を任せるようになってきています。
契約社員や若手アドバイザが大量に案件を抱え、大量に面接させることで成約率を上げているというのが転職ビジネスの実態とも言われています。
もちろん、本当に親身になって求職者の要望に応えようとしているアドバイザや、能力が高く実績も多いプロフェッショナルがいることも事実で、そういうエージェントに巡り合えれば転職成功率は上がります。
このように、転職成功率はアドバイザに依存することが大きいという事実を知っておくべきなのです。
自分に合ったアドバイザを見つけることが転職成功への近道
転職成功率はアドバイザへの依存が大きいとお話しましたが、ではどのように自分に合った良いアドバイザを見つけられるのでしょうか。
良いアドバイザに巡り合う方法
- 知り合いから紹介してもらう
- 複数の転職エージェントに登録して面接を多くこなす
個人で運営している転職エージェントは全国にたくさんいますが、自ら一から探して優秀なアドバイザを見つけ当てることは至難の業です。
先に転職を成功させている先輩や知り合いなどに、優秀な転職エージェントを名指しで紹介してもらうのが一番早いでしょう。
もちろん、ITエンジニアであれば、同じようにITエンジニアとして希望通りの企業に転職を成功させた人に限ります。
もし、そういう知り合いがいないようであれば、大手・中堅の転職エージェントに複数登録して、多くのエージェントと面談をして自分に合うアドバイザを探すことが近道です。
複数の転職エージェントに登録するメリット
ITエンジニアが複数の転職エージェントに登録することのメリットは、大きく次の3点が挙げられます。
エージェント複数登録のメリット
- 自分に合う優秀なアドバイザに巡り合うチャンスが増える
- 多くの求人情報に触れることで選択肢が増える
- 様々な視点で転職のアドバイスを受けられる
自分に合う優秀なアドバイザに巡り合うチャンスが増える
これは複数の転職エージェントに登録する最大のメリットです。
これまでお伝えしたように、転職の成功率はアドバイザへの依存が大きいです。
複数の転職エージェントに登録し、多くのアドバイザに会うことで、求職者の要望にできる限り応えようと奮闘してくれたり、転職成功の実績が豊富で企業との交渉が上手な、優秀なアドバイザに巡り合うチャンスが増えます。
そのアドバイザが優秀かどうか判断つかなくても、色々なアドバイザーと会うことで、自分に合っているかどうかを比較して判断することもできるようになります。
多くの求人情報に触れることで選択肢が増える
転職エージェントによって、持っている求人情報に違いが出てきます。
特に、大手企業など人気のある企業の求人は、その企業の経営戦略がバレることを防ぐために非公開求人としている場合が多いものです。
そのような非公開情報は、その企業が懇意にしている信頼のおける大手エージェントにしか明かしていないことがあります。
逆に、ベンチャー・スタートアップ企業など、ITの高い技術力を持った尖った人材を求めているような企業は、IT業界に特化した中小系の転職エージェントにしか求人情報を出していないこともあります。
複数の転職エージェントに登録することで、そのエージェントの特色に合った多くの求人情報に触れることができ、求職者であるあなたの選択肢が広がることにつながります。
様々な視点で転職のアドバイスを受けられる
複数の転職エージェントに登録することで、それぞれの転職エージェントから自分の強みを違った視点で分析してもらうことができ、より客観的に自分のスキルや市場価値を見定められるようになります。
1人のアドバイザでは、どうしても多角的に自分の価値を見つけ出すことが難しいため、大きなメリットであると言えるでしょう。
また、自分が転職する目的、背景や、進むべき方向性についても多角的にアドバイスを貰えることで、本当に転職していいのか、方向性は間違っていないのかを改めて振り返り判断し直すことができ「間違った転職」になることを防ぐこともできます。
複数の転職エージェントに登録するデメリット
複数の転職エージェントに登録することのデメリットについてもお話します。
エージェント複数登録のデメリット
- 登録した分だけ面談ややりとりの稼働が増える
- 求人情報が増えて確認が面倒になる
- スケジュール管理が大変になる
登録した分だけ面談ややりとりの稼働が増える
複数の転職エージェントに登録して、担当するアドバイザが増えると、その分キャリア相談や求人紹介のための面談をしたり、メールや電話などでやりとりをする時間が増えます。
エージェントによっては、1人あたり20時間ほど時間をかける会社もあります。
このように、登録した分だけ自分の時間を取られることになるので、登録のし過ぎはやめて、3社か、多くても4社程度にとどめるようにしましょう。
求人情報が増えて確認が面倒になる
複数の転職エージェントに登録すると、その分紹介される求人情報が増えます。
同じ求人情報を紹介されることもありますが、そのエージェントしか持っていない求人情報も多いため、その分だけ情報を確認する必要が出てきます。
また、情報量が多くなった結果、応募する企業に迷いが生じることもあり、なかなか入社の決断が出来なくなることもあります。
最終的には自分自身で決めるしかありませんが、あまり迷いすぎるくらいの求人情報を貰わないようにしましょう。
スケジュール管理が大変になる
転職活動には労力も時間もかかります。
特に、現職を退職していない方は、アドバイザとの面談や、応募書類の作成・修正、企業の面接を「仕事の合い間」という限られた時間の中で行う必要があり、想像以上に忙しくなります。
複数の転職エージェントに登録すると、その分だけ面談の回数が増え、面接のスケジュールが重複することもありますし、仕事が忙しいときなど意識が甘くなり、最悪の場合はバッティングしてドタキャン、なんていうことにもなりかねません。
ドタキャンでもエージェントが極力印象の悪くならないよう先方の企業に伝えてはくれますが、印象の良いものではありませんので注意が必要です。
転職エージェントの選び方と注意点
大手から中小企業まで、ネットに広告を出している転職エージェントだけでもたくさんあります。
転職エージェントを複数登録する際の選び方と、複数登録する際の注意点についてお話します。
総合型と特化型を併用する
転職エージェントには、総合型と特化型があります。
それぞれ特徴、得意な領域があるため、ITエンジニアの転職において複数の転職エージェントに登録する際は、総合型を1社、特化型を2社程度登録することをオススメします。
- 総合型エージェント
総合型は大手の転職エージェントが多く、アドバイザの数や求人情報が多く、特に大手企業の求人が多いことが特徴です。
数多くの求人情報からじっくりと検討ができます。
総合型エージェントの例
特にリクルートエージェントは、業界No.1の求人数を誇る転職エージェントで、転職希望者は登録必須と言われているエージェントです。
詳しくはこの記事で解説していますので、ぜひ読んでみてください。
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- 特化型エージェント
特化型エージェントは、その業界で実際に働いていたアドバイザが多く、業界知識が豊富で、どちらかというとベンチャー企業・スタートアップ企業の求人が多いことが特徴です。
また、即戦力を求められるケースが多く、未経験者や、経験が浅い方には少しハードルが高いと言えます。
IT特化型エージェントの例
複数登録していることと選考状況を共有する
転職エージェントには複数利用していることと、それぞれのエージェントの選考状況を適宜伝えるようにしてください。
転職エージェントを複数登録する場合、別のエージェントで既に応募している求人情報を共有することで、紹介される求人の重複を避け、面接日程などの調整もしやすくなります。
逆に複数利用していることを伝えないと、同じ求人への応募や面接のドタキャンなど、悪い印象を与え、後々のトラブルとなる場合もあるので注意してください。
まとめ
ITエンジニアの転職において、転職エージェントを複数併用しても問題なく、むしろ複数登録するべきというお話をしましたが、いかがでしたでしょうか。
転職の成功率は転職エージェントのアドバイザの能力・人脈に依存する部分が大きいため、より自分に合った優秀なアドバイザに巡り合い、転職を成功させるためには複数のエージェントに登録することが望ましいと言えます。
また、転職エージェントによって特徴があり、得意領域も異なるため、総合型と特化型それぞれ3~4社に登録することをオススメします。
この記事を読んで、転職に興味のある方、転職を検討している方のお役に立てたら嬉しいです。